バナナーナ


おれはバナナが好きだった

だからよくバナナに中出ししていた

好きすぎるのも問題だ

「バナナの中って何処よ?」

机の上のラフランスが問い掛けて来た

嫉妬しているのだ

おれが週末になるといきなりバナナの中に出すから不機嫌なのだ

おれはにっこりと笑いラフランスを撫でてやる

愛撫だ

おれはバナナが好きだった

バナナがおれをどう思っているかは基本、無視した

即座に皮を剥き裸にするのだ

バナナは寒いと言う

それはそうだろう

こいつの実家は南国なのだ

おれがバナナを握り締めぶつぶつと独り言を呟いていると

隣りにいた家族らしき人間が「あんた大丈夫?」と言った

おれはそのぼんくらの胸ぐらを掴みこう言った

「おい、バナナに敬礼しろよ」

無料で強姦させてくれるバナナに対し感謝の気持ちを忘れないでいたい

そんな自分でいたかった

もう誰もおれを止めることは出来なかった

バナナ

そいつが失くなったらおれは発狂して死ぬだろう

愛している

バナナ無しの人生なんて到底、考えられない

「バナナ! バナナ! バナナ!」

部屋の片隅で発狂するだろう

比例代表で立候補するバナナに一票を投じるだろう

バナナ

一刻も早く皮を剥いてお口の中に捻じ込め

おれは気まぐれ

バナナ?

「あんな縦長、人類の出来損ないのチンパンジーにでもしゃぶらせとけ!」

翌朝、限りない憎悪


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