なあ


なあ

おれはまだ

わかっているのかな

あそこにある空の色が

青いってことを

なあ

あの質問に

どうして頷いてしまったんだろうな

自分でもよくわからないんだ

どうかしていた

けれどもう遅い

何もかもが音も無く過ぎ去って

残された空っぽ

なあ

おれの心が何か喋りたいんだ

けれどそいつは言葉を知らなくって

おれは間違った薬を飲み干した

なあ

本当のことを教えてくれよ

もう二度と安眠なんて訪れないんだろ

両手を差し出して

受け取った

けして満たされることのない容器をじっと眺めさせられていた

視線を逸らすことは許されていない


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