第51話 どっきり企画
空に浮かぶ光源を反射して輝くのは、金色の角。黒いふわふわの毛皮に覆われた大兎――そのつぶらな瞳は、苺のように赤く煌めいている。アルミラージという生き物は、綾那の予想通り大変可愛らしい大兎であった。草原の葉を齧りながら、ぴんと伸びた耳をひこひこと動かして周囲を警戒する様は、見ているだけで癒される。
しかし、帯剣する騎士の姿を視認するや否や、癒し兎の姿は消えてしまった。真ん丸だった瞳を鋭く吊り上げて、尖った前歯をガツガツと噛み合わせながら鼻息荒く威嚇する様は、まごうことなく『魔物』といった形相である。どうやら、気性が荒いというのは事実らしい。
「兎さん……初めは可愛いと思ったけど、ちゃんと、しっかり魔物なんだね」
「実は、私もアルミラージを見るのは初めてで……普段街から出る事って、ありませんから」
「そっか。女性の戦闘行為は自衛以外、法律で禁止されているんだもんね」
とてもいい笑顔で「あ、でも、アルミラージ由来の服ならウチの店にも置いてあります! とってもフカフカなんですよ」と続ける桃華に、今まさに目の前で動く生き物の毛皮から作られた服なのか――と思うと、綾那は何やら複雑な気持ちになった。
まあ、「表」でもアンゴラウサギのコートとかミンクファーのマフラーとか、動物の毛皮を使った服飾品は多々ある。あるとはいえ、生きて動く様を見るとどうにも複雑だ。アルミラージは毛皮目的で乱獲されないのだろうか。
彼らは動物ではなくあくまでも魔物だから、乱獲されたとしてもあまり深く気にする事はないのかも知れないが――。
「竜禅副長」
「ああ、質問なら常時受け付けている」
綾那はカメラを騎士とアルミラージに向けたまま、隣に立つ竜禅へ声を掛けた。彼は待ってましたと言わんばかりに応えてくれる。やはり、厳粛そうに見えてノリが良いらしい。
「アルミラージと対峙する場合の、注意点やポイントなどあればお伺いしたいのですが」
「彼らは一見、人畜無害そうな姿をしているが魔物だ。もちろん魔法を使うため、安易に近付く事はお勧めできない」
「魔法――アルミラージが使う魔法の属性には、傾向があるのでしょうか? それとも、個体差が?」
「ごく稀に変異種が生まれる事もあるが……基本的には雷属性だ。頭の角に雷を纏って突いてくる時には「
――
(あの時はフルプレートアーマーでお顔が見えなかったから、正直「魔法だ、凄い」としか思わなかったけど――今、改めて颯月さんにあんな助け方されたら、そんなの惚れるなっていう方が無理あるんじゃない? だって、あの顔だよ?)
綾那は一人納得したように頷いて、撮影を続ける。
「アルミラージは、魔法さえ使えれば簡単に倒せるものですか? 例えば子供でも」
「彼らは決して強敵ではない。しかし脚の筋肉が発達しているため、フットワークが軽い。魔法にしろ物理にしろ、当てる事さえできれば子供でも討伐は可能だが、実際問題ただ当てるだけの事が難しい。有効な手段は――」
言いながら竜禅は、騎士を指差した。ちょうどその時、半透明な鞭のようなものがアルミラージの脚を絡めとって、ぴょんぴょんと忙しなく跳ね回っていた動きを止める。
「わあ、アレは何ですか?」
「風属性の魔法、「
「魔力操作……なるほど、魔力が強ければ強いほど良いという訳ではないんですね」
「ああ。「風縛」を全力で行使すれば、足止めどころか真っ二つに――まあ攻撃魔法として考えればアリだろうが、本来の用途からは外れるだろう。巧みな魔力操作ができてこそ、初めて本物の「風縛」と呼べる」
竜禅の説明に、綾那はほうと感心する。そもそも魔法が使えない綾那には分かりづらいが、とにかく和巳は凄いという事だ。
「ちなみに、竜禅副長は――」
「私か? 残念ながら、私は水属性ひとつしか使えんので論外だな」
彼は悪魔憑きではないからそれで当然なのだろうが、しかし使える属性が水のみと聞くと、何やら意外だった。綾那の中で、彼はなんでもそつなくこなしそうなイメージがある。抑揚の希薄な淡々とした喋り方のせいか、それこそ物語に出てくるような高性能アンドロイドのごとく。
相槌を打ちながら、綾那はカメラを操作して映像を拡大した。
脚を風の鞭に絡めとられて、拘束から逃れようとジタバタ暴れる黒兎。その正面には、魔法を行使する和巳が片手を翳して立っている。
一つ結びにされた、男性にしては長い髪の毛が風に靡く。涼しげな瞳は目の前のアルミラージに集中していて、カメラで撮影されている事など全く気にしていない様子だ。
やはり彼の中性的な容姿は、分かりやすく美しい。女性ファン獲得の為にと思っていたが、しかし同時に男性ファンもつきそうである――彼がその事についてどう思うかは、なんとも言い難いが。
(やっぱり颯月さんもいつも通りだし、和巳さんも平気そう。問題は――)
近くで撮影できればもっと詳細に映せるのだが、幸成と旭の気が散ってしまうため難しい。綾那は現状、騎士達からだいたい五十メートルほど離れた位置でカメラを構えているのだ。それでもまだカメラの存在が気になるのか、顔と体を強張らせている青年二人がカメラに映ったため、綾那は苦笑した。
もっと離れるべきか、それとも、草陰に身を潜めてこっそりと撮影するべきか。まるで隠し撮りをしているような――もしくは、警戒心の強い野生動物の撮影でもしているような気分になってくる。だとすれば、こちらの存在を意識されている時点で大失敗なのだが。
「幸成、
「演習?」
彼の気もそぞろな様を見かねたのか、桃華は思わずといった様子で零した。綾那が首を傾げれば、桃華は何度も頷く。
「年に何度か、騎士団の演習――訓練の様子を撮影する決まりがあるんです。確か、己を客観的に知る事で、武芸の更なる向上を目指すという名目で。私も何度か、撮影された動画を見た事があるんですけど……その時は幸成、あんなに硬くなってないんです。一応軍師だから、訓練の責任者として長い時間映されているのに。それがあんなガチガチになっちゃうなんて、なんだか不思議で」
「――ああ、その手があったか」
どうして今日はあんなに硬くなってしまうのだろうと首を傾げる桃華に、竜禅がぽんと手を打った。「その手とは?」と問う綾那に、彼は口元を緩める。
「綾那殿、いっそ「
「え? で、でも……つまりカメラと私達の姿を、彼らの視界から隠してしまおうという事ですか? それっていよいよ、本格的な盗撮行為になるのでは――」
難色を示す綾那に、しかし竜禅はゆるゆると首を横に振った。
「実は、演習の撮影係は例年私が任されている。ただ、見える位置でカメラを構えると、いつもああして幸成が普通ではなくなるのでな。彼は曲がりなりにも軍師、教育の責任者だ。しどろもどろになっている不甲斐ない様を撮影して、若手騎士に見せる訳にはいかないだろう? だからいつも「水鏡」を使って、彼の認知の外側で撮影している」
「そ、そうは言いましても、やはり隠し撮りは――」
「安心して欲しい。私は既に、盗撮に関して後ろめたさなど欠片も感じない領域へと至っている」
「な、何をもってして安心なのでしょうか!?」
胸を張って淡々と問題発言をする竜禅に、思い切りツッコミを入れた綾那。しかし、同時にある事を思いつく。
(いや、でも――今後もしばらくこのメンバーで撮影を続けて行くなら、いっその事そういう『企画』にしてしまうのはどうだろう?)
プロのスタチューバーとしては、「許可なく盗撮、ダメ、絶対」だ。しかし、普段から竜禅による盗撮が横行しているというのならば、幸成だってある程度、盗撮される事に慣れてしまっているのではないだろうか。しかも竜禅が盗撮の常習犯になるぐらい繰り返されているという事は、団内でもあまり問題視されていないはずだ。
であれば、いっそ「幸成と旭は、いつ盗撮に気付くかな?」というコーナー企画にしてしまえばいい。
勿論、今後視聴する街の人間がこの動画を真似て、騎士を無断で盗撮するような事になると困るため、注意喚起は必要になるだろうが――。
盗撮に気付いた彼らが「いつから」と戸惑い慌てて、途端にぎこちなくなる
そんな企画もあった方が、騎士の遊び心が伝わる気がする。お堅いだけの宣伝動画よりも親しみやすく、しかも上手く嵌れば「次の動画ではどうなるのか?」と、
(あとは私が常識を捨てて、良心の
――などと綺麗ごとを言ったものの、そういえば綾那はつい先ほど、馬車に揺られる幸成と旭を盗撮紛いの手法で撮影しているのだ。
(…………じゃあ、もう、いっか?)
決してよくはないのだろうが、いつか颯月も言っていた。「郷に入っては郷に従え」と。今回はアイドクレース騎士団の流儀――撮影方法に従おうではないか。
「では、お願いしてもよろしいですか?」
「ああ、お安い御用だ」
綾那の言葉に、竜禅は嬉々として頷いた。
◆
――「やっぱりまだ緊張が解けないようなので、一旦休憩しますね。今回はお肉を調理して食べるシーンが目玉ですし、そこから撮影を再開させましょうか」とは、綾那の言葉である。
綾那はその言葉通りに、竜禅と桃華を連れて姿を消した。恐らくアルミラージの討伐が終わるまで、どこか離れた場所で身を休ませているのだろう――。
「――と、幸成くんと旭さんは思っている訳ですね」
「彼らのあの安堵した表情を見れば、容易に読み取れるな」
「ええ。ではでは、始めて参りましょう! 「騎士様はいつ「
竜禅に「水鏡」――
桃華は初め「もし、撮影の邪魔になったら――」と共に行動する事を遠慮していたが、しかし街の外での単独行動は危険だという事で、綾那と共に「水鏡」の壁に潜んでいる。
こんなおふざけ企画だが、曲がりなりにも騎士の宣伝動画だ。広報担当の綾那は最低限、声で出演せざるを得ないとして、しかし職務中に女性を連れてチャラついているとは思われたくない。桃華には悪いが、撮影の間は声を出さないようにとお願いしてある。
(コーナー企画まで作るとなると、オープニング動画も撮りたくなってくるなあ。この際撮る順序はメチャクチャでも、後で編集しちゃえばどうという事はないってね! 今はとにかく、動画にできる素材がたくさん欲しい)
カメラを意識する事がなくなって、ようやく肩の力を抜いた幸成と旭。彼らはほっと息をついて周囲を見回している。ちなみに、先ほど和巳が拘束したアルミラージ一羽は頭を落とされて、即席の物干しに逆さ吊りで血抜きの最中だ。
アルミラージは昼に活動的に動くと言っていたから、もっと群れを成して行動するものと思っていたが――意外と街周辺に現れる個体数は限られているようだ。騎士は次なる獲物を探しているらしい。
「竜禅副長、企画の説明をお願いいたします」
「ああ。我々は現在、「水鏡」で彼らから姿を消して撮影している。理由は単純明快、照れ屋な騎士がカメラに委縮して、本来の力を発揮できないからだ」
「普段、威風堂々としている騎士にも、意外な一面があるものですねえ」
「個人差はあるだろうがな。とにかく、「水鏡」で隠した我々の存在にいつ気付くか――というお遊びだ。念のため言っておくが、街中で見かけた騎士に許可なくこのような事をすれば犯罪だ。決して真似しないように」
「騎士に限らず、盗撮はしないでくださいね。私達は、颯月騎士団長の許可を得た上で『どっきり企画』を行っております」
――実際には、まだ颯月にも話していないのだが。
まあ、「騎士団の宣伝動画を撮る」と言ってこの場に集まった面々なのだ。それはもう、この場に来た時点で盗撮の許可も得たと同義である、という理屈だ。盗撮に関する注意喚起もしたところで、綾那は騎士達を一人一人ズームアップしていく。
「ところで副長。騎士は、魔法と剣で戦うのが主流ですか?」
かなり騎士と近い場所まで移動しているため、綾那は声量を抑え気味にして問いかける。
あの逆さ吊りにされたアルミラージは、和巳に足止めをされた上で腰に
「そうだな。入団した者は魔法の適性を見つつ、必ず剣の扱いを学ぶ。長剣は魔法と相性が良いんだ。形が単純で「
「なるほど。モノの形状によっても変わってくると――ちなみに「属性付与」は、雷だけでなく全属性あるのでしょうか?」
「ああ、その通りだ。それぞれ詠唱は少しずつ異なるがな」
きっと颯月は、全ての詠唱を覚えているのだろう――と思いながら、ふと綾那は考え込んだ。この世界「奈落の底」は、魔法が全てで科学が発展していない世界だ。実際に魔法に触れた綾那自身、これだけ便利なら、それは科学も発展する余地がないだろうと実感している。
水を出すにも火を
ある程度行動の自由を認められた綾那は、悪魔憑きの教会へ行く時や、桃華とお茶をする時など、颯月と共に街歩きをするようになった。様々な店を見て回り、時には好奇心から武具店を訪れた事もあるのだが――ありとあらゆるモノが揃う王都の店であっても、置いてあるのは長剣、長槍、そしてクロスボウのような弩弓が主流だ。
綾那が愛用するジャマダハルのような短剣の類は置いておらず、ナイフなどは武具店でなく、包丁などを扱う刃物店に置かれているらしい。長物が多いのは、恐らくここが魔法の蔓延る世界だからだ。
人は勿論、悪魔、眷属、そして魔物までもが魔法を使う。遠距離射程の魔法相手にリーチの狭い短剣では、分が悪すぎる。相手の懐へ入る前に魔法で無力化されてしまうだろう。
魔法が基本の攻撃手段で、そしてこの世界の科学が発展していないからなのだろうか。綾那が見た限りでは、アイドクレースに銃器の類は存在しなかった。絨毯屋の大倉庫を魔法で爆破した幸成しかり、魔法で顕現できてしまうせいか火薬、爆薬の類も見ていない。
例え火の属性魔法が使えない人間であっても、例えばこのカメラのように専用の魔法陣が込められた魔具を用意すれば――その魔具こそが爆弾の役割を担うのだろう。
(陽香、弾が補充できなくて困っているだろうな)
思うのは、魔獣狩り用に携帯している銃二丁を持ったまま奈落の底へ落ちた、陽香の事である。彼女の銃の腕前は確かだが、しかし当然それは撃つ弾があってこそ。服の下に替えの弾倉はいくつか持っているだろうが、もう奈落の底に落ちてからひと月以上経つのだ。さすがに弾切れを起こしているだろう。
戦う手段をなくした陽香の身の安全も心配だが、そもそも彼女にはトリガーハッピーな一面がある。大好きな銃を撃つ事ができずに、ただ悶々とフラストレーションを抱えていたらと思うと――何やら可哀相になってくる。
(いけない、今は仕事中だ)
つい郷愁に浸ってしまったが、今は職務の真っ最中である。綾那は気持ちを切り替えると、撮影に集中した。ふと見れば、いつの間にか二羽目のアルミラージを発見したらしい幸成が、小さな火炎弾の魔法を放って追い立てているようだ。逃げ惑い追い立てられた先には、剣を構えた旭が立っている。
幸成が放った火炎弾を、ぴょんと高く跳躍して
「素晴らしい連携ですね、先ほどまでとは大違いです!」
「よほどカメラの存在が気になっていたらしいな」
見るからに動きの変わった幸成と旭に、竜禅は呆れた様子で呟いた。隣に立つ桃華も苦笑を浮かべながら、何度も頷いている。
(色々な魔法が見られて、撮影している私自身楽しいかも。やっぱり派手で見応えがあるなあ)
軽く掲げられた幸成の片手の平に、旭は困ったように笑いながら己の手をパンと合わせた。
病の妹を救うという、人の道を外れざるを得なかった理由があったとは言え――旭は幸成の恋人、桃華を誘拐した実行犯である。絨毯屋に手酷い罰を与えた幸成は、しかし旭については意外と根に持たず、友好的に接しているように見える。ただ、やはり旭の方は彼に遠慮しているのだろう。
戸惑いながらでもハイタッチができるほどの仲ならば、あまり心配する必要はないのかも知れないが――。
(若い二人がハイタッチ……うん、爽やかでいいシーンだな。ここは絶対に使おう)
撮影しながら編集について考え出した綾那は、ふと颯月がこちらを見ている事に気付く。「水鏡」で姿は見えないはずだが、綾那達の話す声が大きかったのだろうか。綾那が小首を傾げると、同じく颯月に気付いたらしい竜禅が説明する。
「ああ、颯月様は感覚的に私の位置が分かってしまうから――失敗したな、「水鏡」だけ置いて私は離れるべきだったか」
「えっ、そうなんですね! そっか、共感覚とか、主従契約とか、特別な魔法で繋がっているんでしたっけ」
「厳密に言うと魔法とは少し違うのだが、そうだな。まあ、問題は幸成と旭だ。このまま続行しよう」
竜禅の言葉に「そうですね」と続けた綾那だったが、不意に颯月がこてんと頭を傾けて、金混じりの黒髪がさらりと彼の顔に影を落とした姿に――やはり綺麗な髪だと見惚れてしまう。
颯月は何を思ったのか、「水鏡」で姿こそ見えないながらも、綾那達が居る方へ向かって柔らかい笑みを湛えながらヒラヒラと片手を振った。綾那は堪らず「今日も颯様のファンサがバグってる……ッ!」と、片手で口元を押さえながら、震え声を上げる。
しかし――幸成や旭が気付くとよくないと察しているのか――颯月はすぐさま綾那達から目線を外して、正面を向いた。
「これ、絶対に
「綾那殿、あまり動くと映像が乱れるぞ」
「……ごめんなさい、取り乱しました」
深呼吸する綾那を見て、竜禅は「いや、見ていて面白いので、私は一向に構わない」と言って口元を緩めた。その横では桃華が「本当にお姉さまは、颯月様がお好きなんですね」と生暖かい目をしていて、綾那は否定する事もできずにぐうと唸った。
――正直、騎士のイメージアップはともかくとして、今回の動画一本で颯月のイメージは爆上がりな気がする。勿論、颯月ファンである綾那の欲目もあるだろうが、しかしこれだけ柔和な笑顔を見せられれば、街の人間の意識は変わるだろう。
ただでさえ女性の間で「悪魔憑きだが、とにかく顔がいい、元王族」という意識の下地はあるのだ。悪魔憑きとしての外見だけでなく彼の人となりを知れば、きっと皆が好きになってくれる。
(やっぱり、ちょっとなんか複雑だけど、でも、楽しみでもある)
どう転ぶかはまだ分からないが、転んだ先が彼にとって少しでも良い方向であれば幸いだ。綾那は口元を緩めながら、カメラのレンズを颯月の横顔に向けた。
――ちなみにこの盗撮についてだが、三羽目のアルミラージの逃亡先がたまたま綾那達の居る方向で、仕方なしに魔法で「水鏡」ごとアルミラージを吹き飛ばした竜禅の手によって、強制ネタばらしとなった。
突然姿を現した綾那達、そしてカメラにぽかんと目を丸めて体を硬直させた旭と、「禅、テメー!
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