怪異忌譚
星詠 橙子
異里訪問
きさらぎ駅
【見知らぬ駅
降車した街は鬼の住む街
捕まれば二度と帰れぬ 異形の住処】
迷いこむなら帰しましょう
道を違えた迷い子よ
あるべき里はここには非ず
いるべき里へ帰しましょう
鈴を鳴らして知らせましょう
里の者達来ぬように
美味しい馳走はお預けに
飢えた者達遠ざけよう
怯えながらも駆け抜ける闇
振りむけばそこは地獄か
異形の足音振り切って
耳に届いた街の音
案内していた子が嗤う
迷い子なれば返したけれど
探し来たれば次はない
探し来るなら捕らえましょう
道を見つけた愚かな子
あるべき里はどこにも非ず
いるべき里へも帰らせぬ
太鼓を鳴らして知らせましょう
里の者達来るように
美味しい馳走を目の前に
飢えた者達集めよう
絶望のなか逃げ惑う闇
振り返らずともここは地獄か
異形の足音迫り来る
耳に届いた嗤い声
真黒(まくろ)な瞳の子が語る
「訪ね子なれば喰らいましょう
私は腕を あの子は足を
皆で等しくわけあって
骨の髄まで喰らいましょう」
赤き闇夜に響く声
嘆きの叫びに誘われ
里の宴が幕あける
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