第14話 手平町民大会決勝戦~VS雪野マフユ~④
「ブリザードドラゴン目掛けて飛べ~!!!!!!」
【みゃああああああ!!!!!!】
「なっ!? プライズ!! 避けろ!!」
【了解しました!!】
止まってアタシ達の様子を見ていたブリザードドラゴンに向かって飛ぶ。今の状況なら絶対に届くはず!!
それに氷の壁を利用して飛んできたアタシ達に流石に戸惑ったのか動きが鈍い!!
これなら!!
「右手スキル・連続パンチ発動!! いっけ~!!」
「当てさせない!!」
ギリギリの所で避けられる、けど、狙いはブリザードドラゴン本体じゃない!!
「氷の翼に連続ネコパンチ!!」
【みゃみゃ~!!】
狙うは固有スキル・氷の翼!!
避けた事で氷の翼が丁度いいところ、ムギの攻撃範囲内!!
「ぶち込め~!!!!!!」
【みゃみゃみゃ~!!!!!!】
ムギのネコパンチが氷の翼に打ち込まれる。
攻撃力は低いけど、連続で叩き込むからそれなりにダメージは出る・・・・・・と思う。再起不能とはならなくても一定時間動きを止めることが出来るはず!!
「プライズ!!」
【ハッ! 例え攻撃されようとも我が翼は・・・・・・!?】
――『固有スキル・氷の翼』はダメージ蓄積により一定時間、操作出来ません。繰り返します。ダメージ蓄積により一定時間、操作出来ません。
ブリザードドラゴンから氷の翼が使えないとアナウンスが流れる。
やった!! 至近距離で撃たれる覚悟はなかったけど無事に目標は達成した!! もう氷柱弾に恐れる心配はない!!
いやぁ~、
【・・・・・・マスター】
「そうか。両腕スキル・カマイタチ発動。たたき落とせ」
【了解しました】
ブリザードドラゴンの腕にナイフ状の風が纏わり付くとムギの右腕をたたき落とされる。
のびーるハンドでバランスを取ってたけど、この攻撃でバランスが崩れて落ちる!! 攻撃を当てる事しか考えてなかったから落下した時の事、考えてなかった!!
そうだ!!
「ムギ! のびーるハンドを地面に向けて・・・・・・ 「させるか!!!!!!」
無慈悲にカマイタチでのびーるハンドのワイヤーを切られる。
そうだよね。アタシがスキルを攻撃出来るなら相手も出来るよね!!
「キャアァァァァァ!!」
【みゃみゃみゃ~!!】
為す術もなく地面に思いっきりぶつかった。
し、振動が凄い。頭がぐわんぐわんする。
アタシは頭を抑えムギの体制を立て直しながら、今のムギの状況を確認する。
――『右手スキル・連続パンチ』はダメージ蓄積により一定時間は操作出来ません。
――『左手スキル・のびーるハンド』はダメージオーバーにより操作出来ません。
――現在、ネコノコバン・ムギのHPは50%以下です。
画面に表示されたムギの状況を見て、血の気が引いていく。
これが氷の翼を一定時間だけ操作不可にさせた代償。もう少し、冷静になって行動すれば良かったかな・・・・・・。
アタシは後悔しながらムギを立ち上がらせると目の前にブリザードドラゴンが。
「あっ! ムギ! 小判の盾を!」
【みゃ!】
「あは、あはははは!!」
「ま、まふゆくん・・・・・・?」
攻撃に備えて小判の盾を構えたけど、一向に動かないし、笑ってるんですけど!?
怖い!! メチャクチャ怖い!!
「ホノオさん、ボクはプライズ、ブリザードドラゴンを使ってる理由はね、ブリザードドラゴンの固有スキル・氷の翼に惚れ込んだからさ」
「は、はあ・・・・・・」
急に語り出した!!
なに!? 本当になに!?
「初めて氷の翼を使っている所を見た時は未だにハッキリと覚えている、スピードが上がれば上がるほど増えていく氷柱の美しさ、嗚呼、今でもこの目にこびり付いている。
それだけじゃない。ボクは氷の翼で相手をジワジワと追い詰めて、そして最終的に凍って動けなくなる様を美しいと思ってる、心の底からね」
何を言ってるのこの人?
本当にこの世界の雪野マフユは変わって、いや、雪野マフユはハナちゃんを侮辱した相手をボッコボコにして二度とテノヒラロボを触れなくさせた話が・・・・・・、いや、これは関係ないな、アタシはハナちゃんを侮辱してないし、もしかして、この世界の雪野マフユって、普段は紳士? だけど裏は・・・・・・って感じなの!?
「だけど、今回は無理そうだ。君がジワジワと追い詰められて凍っていく様を見たかったよ。
さて、君が追い詰められていく様を見るのは後のお楽しみに取っておくとして・・・・・・、これで最後だ!!!!!!」
ジェットターボを使って、此方に向かってきた! 突進してくるつもり!?
「ムギ! 盾を構えて!」
「無駄だ!! ジェットターボ全力解放!! 更に頭部スキル・風の王冠を発動!! これにより、今のスピード分、攻撃力が加算される!!
全力攻撃を喰らえ!!!!!!」
「キャアアアアアア!!!!!!」
【みゃ~~~~~~!!!!!!】
小判の盾ごと吹き飛ばされる。
そして、そのままアタシの意識は薄れていった。
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