第5話
※バトル説明回です
『溫井さん、聞こえる?』
「はい! 聞こえます」
ユキウサギを通して雪野さん(さすがにずっと呼び捨てはね)の声が聞こえる。
そろそろ始まるのかと少し緊張・・・・・・。
『まず改めて、私は雪野ハナ、この子はユキウサギのスノウ。よろしくね』
【よろしくぴょん♪】
「(存じ上げております)アタシは溫井ホノオと言います。此方こそよろしくお願いします、ネコノコバンの名前はまだ考え中です!」
緊張しすぎて何か変なことを言った気がするぞ☆
雪野さんからクスクスと笑い声が聞こえるし!!
蛇足だけど 雪野さんのユキウサギことスノウは喋ったのにアタシのネコノコバンが喋らないのはまだ動き始めたばかりからです、これからです、これから喋るかもです。
『そんなに緊張しなくていいよ、今日はバトルの基本を教えるだけだから。あと、同い年だから敬語は・・・・・・』
最後、最後の言葉、皆さん、聞きました?
恐らく勇気を振り絞って言いましたね、素晴らしいじゃないですか、萌えじゃないですか。
そんな雪野さんにアタシがしてあげることはただ一つ。
「うん、解ったよ、雪野さん」
彼女のお願いに応えてあげることだ!!
『溫井さん、ありがとう。じゃあ、気を取り直して先ずはルールを教えるね、知ってるかもしれないけど、制限時間以内に相手のライフを0にした方が勝ち、制限時間以内に決着がつかなかった場合はライフが多い方が勝つわ』
「あとコロセウムから出たら負けだったけ?」
『うん、そうだよ。あと相手の使用スキルを奪うのは駄目、これは一回やったら公式大会どころか他の大会も出られなくなるからね。
次は【スキル】について教えるね』
――スキル。
よくRPGや異世界ファンタジーものによく出るから何を意味するか解る人も居るだろうが説明させていただく。
スキル、このテノヒラロボの世界では『バトル中に能力を発揮するパーツ』の事を言い、スキルは2つに分類される。
1つ目は頭部、両手(場合によっては右手、左手に違うスキルを装備できる)、両足の各3つの部位に自由にカスタマイズする事が出来るフリースキル。
2つ目は、テノヒラロボ最大の特徴とも言える存在、固有スキル。フリースキルと違い最初からロボに付属されていて、バトルやケア以外は外せない仕組みになっている。
テノヒラロボは固有スキル+フリースキル3つ、計4つのスキルを駆使して戦うロボバトルなのだ。
『固有スキルは絶対に変えられない、だからフリースキルを固有スキルの弱点を補うためか、生かすためか、又は自分のプレイをカバーする為に付けるかで変わってくる。
私は、ううん、どのマスターもスキルは常に研究してるの。
自分のロボを勝たせるために』
最後にズシリと重い言葉で締めくくられた。
ロボを勝たせるため。
テノヒラロボはスキルで勝敗が決まると言っても過言ではない。
固有スキルの弱点を補うにしてもスキルの相性も考えないと行けない、それに一番のネックな部分はお金だ。
転生前、テノヒラロボが流行った時期は丁度学生だったからカードショップ(フリースキルはカードとして排出されていた)で売ってるレアスキルが欲しかったけど中々のお値段だったので買えなかった記憶がある。
多分、いや絶対に今世でもお金が一番大変かもしれない、まだ学生だし。
『溫井さん、どうしたの? 解らない所があった?』
「だ、大丈夫! バッチリ解ったよ。次はなにするの?」
『次は・・・・・・、うん、固有スキル・ダイヤモンドカッター発動!!』
【解ったぴょん! 必殺! ダイヤモンドカッター!!】
スノウが背負っていた雪の結晶ことダイヤモンドカッターをアタシ達に向けてきた!!
「ヤバい!! 避けて!!」
ロボフォンを通してネコノコバンに避けるように命令するとネコノコバンはジャンプしてダイヤモンドカッターを躱した。
「ゆゆゆゆ、雪野さん? いきなりどうしたの?」
『凄い、スノウのダイヤモンドカッターを避けるなんて!』
【避けられちゃったぴょん! 悔しいぴょん!】
「雪野さん?」
『溫井さん、ロボ操作に慣れる為の練習をしよう。
スノウが放つダイヤモンドカッターを頑張って避けてね』
いや、頑張って避けてねじゃねーよ!!!!!!
※バトルルールや用語等は後で解説書にまとめて書きます
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