第18話
「さて、それじゃそろそろネタバラシとしよう。」
そしてアルデーレおじさんはこれまでのことを話してくれた。
まず、継母からレオルド伯爵は婚約の話を頂いて、すぐ様違和感を感じたそうだ。
自分の婚約なのに、何故か叔父のドレッド伯爵が喜んでいること。
そして肝心の私の事が全く分からないということ。
前々から私のスキャンダルがあったが、レオルド伯爵はそれをあまり信じていなかったこと。
そこでドレッド伯爵を探ったところ、継母とドレッド伯爵が金銭のやり取りをしている所を目撃したそうだ。
更にドレッド伯爵の身辺を調べると、異国から少女を買っている小切手まで出てきて、確信がついたらしい。
恐らくステラお嬢様は売られる。
そうなると、ステラお嬢様は逃げ出すだろう。
そして、ここからは前にクビにされたメイド達からの情報で、私は恐らく柵を登らず、誰も想像しないであろう下水を使って逃げることも予想されていたらしい。
お嬢様のことだから、きっと確実な方法で逃げるだろうと。
そしてメイドの中には配管工の旦那を持つ者がおり、私が脱走した時のためにわざと森に出る様に他のルートへ行けない様細工したとのこと。
道理で1本道だった訳である。
しかも、ご丁寧に森の出口の蓋を壊したのもその配管工とのこと。
そして森のすぐ側のこの街にやってくることまで、全て計算されていたということだ。
しかも、あの森でもまた別のメイドの旦那で元猟師の人が、私が獣に襲われない様にと、予め獣用のトラップを巻いていたらしい。
そのお陰で私は森をウロチョロしててもオオカミも何も出て来なかったというわけだ。
つまり、私の策は最初から全部バレてたと言うわけか。
少し悔しいが、お陰で作戦は上手くいったのだ。メイドたちとその配管工や元猟師には感謝してもしきれない。
「後はその森から街への入り口にレオルドを見張らせて、お嬢さんの安全を確保したって訳さ!」
「ちょっとまって、アルデーレおじさん、今レオルド伯爵を呼び捨てに?」
「そりゃな、あいつは俺の息子だから」
「え、えぇ?」
私はその事実に1番驚いた。
「まあ俺はこんな白髪だし老け顔だから、よく老人に間違えられるがな。
レオルドの方は母親に似たんだ。」
私は呼びやすいからおじさんと読んでいたが、内心ずっとお爺ちゃんだと思っていただなんて、絶対に言わないでおこう。
そう心に決めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます