妊娠

「予想外だったのですが、妊娠していました。子宮が腫れてパンパンに水が貯まっていました。この状態では正常出産も難しく、あと1週間遅かったら、母体も助からなかったかもしれません」

 麻酔で眠るミケちゃんの前で、先生の言葉を聞きながら、やすらぎさんは涙が出てきました。


 手術前の検査で子宮に水が滞留していることはわかっていましたが、その上に妊娠していたなんて……。

 

 実は、手術は一度延期になっていたのです。

 最初、予約を取った日は悪天候でミケちゃんは姿を見せず、手術は2週間後の治療室の定休日に持ち越されていたのです。


 それが、もし2週間後ではなくて、3週間後だったら?

 また、ミケちゃんが現れず、再度延期になっていたとしたら?


 本当に、間一髪。ミケちゃんは命拾いしたのです。

 

 ミケちゃんの赤ちゃんは一体でした。

 赤ちゃん猫は病院で供養していただくことになり、その夜、ミケちゃんは病院に一泊しました。

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