転生ガチャでSランクの転生チケットを引き当てて、聖女に転生!! って、は? いやちょっと待て、この状態は求めていなかったのだが!?
にがりの少なかった豆腐
デュラハンって何だよ。難易度激高か?
始まりはガチャ
転生特典だと ※できれば先に作品の紹介文を読んで欲しい
俺は死んだ。
そう死んだんだ。
理由は知らない。
いや、雨の日に傘をさして外を歩いていたから、おそらく車に引かれたとかだろうな。まあ、もう死んでしまったのだから、その辺りを気にしても今更でしかないのだが。
と、まあ、色々気になりだしたら切りがないから、とりあえず現状を確認してみよう。
今俺が居る空間は何処を見渡しても真っ白な空間だ。
いや、すまない。一部訂正する。
目の前に居る自ら女神と名乗った女とガチャガチャ (所謂お金を入れてレバーを回すとカプセルが出て来るタイプのものだ) が目の前にある。
いや、その前に何で俺が死んだことに気付いたかって? それは目の前で満面の笑みを浮かべている自称女神がそう言ったからだよ。
ん? 胡散臭いのによく信じたなって? いや、歩いていたはずなのにいきなり知らない空間に立っていたら、それはもう普通じゃないよな? 少なくともまともな状態じゃあないのはわかるだろう。
ここに居る理由が死んだのではなく別の原因かもしれないが、少なくとも元の場所に戻れそうにないことは感覚的に十分に理解しているんだよ。
それに、開口一番に転生させてあげるって言われたんだ。そう言われたらしたくなるだろう転生。人生逆転の典型例じゃんか。まあ、そんなのは小説の中だけだが。
少なくとも俺は今までの人生に未練なんてものはないし、むしろ生きるのも嫌になっていたから好都合だった。
それでまあ、何でガチャガチャが目の前にあるかなんだが、どうやら転生の特典を決めるために必要らしい。
正直言うとこれが一番意味が分からない。
と言うかそれを聞いた瞬間、俺はこう口に出していた。
「いや、転生させてくれるなら、転生する奴ら全員平等に扱えよ」
まあ、普通に考えたらこれが一番いいと思う。しかしだ、この自称女神はこともあろうかこう返してきた。
「いや、それじゃあつまらないでしょう?」
はっきり言ってこいつ性格悪くないか?
いや、転生させてくれるだけましかもしれないけどな。
まあ、文句を言ったところで変えることは無いだろうから、これ以上どうこう言うつもりはないのだがな。
考えたところで意味はないか。だったらさっさとガチャをするか。
出来ればCランク以上の特典チケットが出て欲しいが、こればかりは運だからな。
Cランクチケットが何なのかを説明すると、このガチャから出て来るチケットは転生特典の数を決めるためのものらしい。
ランクはFからSSまでの8段階があるらしく、Fだと完全にランダムどころか何か問題のある状態で転生し、Eでただのランダム、Dで1つ特典を得られ、SSで6つ特典を得られるらしい。
それで特典と言うのは、転生する時にこういう形で転生したいと言う要望を受け入れてくれるものだ。要するにDランクだった場合、魔法が使えるようになりたい、と言う要望を受け入れてくれると言うことだ。
まあ、この場合は他の要素はランダムだから、あくまで魔法が使える何かに転生することになるんだけどな。
でだ。何で俺はCランク以上が良いかと言うと、転生したら聖女になりたいからだ。
元が男のくせにどうして聖女になりたいんだこいつ? と思うかもしれないが、これは俺が生きるのが嫌になっていた原因のよるものだ。
簡単に言ってしまえば、俺の家はどうにも古い考えで動いていて「男は結婚して家を継げ」といった感じなんだよ。
それぐらい良いだろう、と思うかもしれない。だが、実際は俺に全責任を押し付けて楽をしようとしているのが見え見えだったんだよ。
働いたら金は全部家に入れろだの、家のために生きなければならないだの。正直、この時代に合った考え方じゃない。俺は家のために働く奴隷じゃないんだ。
とまあ、そんなことがあって男であるのが嫌になった、と言うことだ。
それで、聖女になるだけなら、特典が一つのDランクチケットでも良いだろう。そう考えたな?
残念ながら、聖女に転生するには、女になってから聖女になる、と言う過程が必要らしくその所為で、要望1つ分じゃあ足りないらしい。ついでに言えば聖人、聖女の男版になるならDランクのチケットでも問題はない。
え? なんで聖女になる必要があるだって? 家云々の理由であれば女になるだけでも問題はないだろって?
それはだな……まあ、大して深い理由はない。
単純に聖女ならそんなに苦労しないと思ったからだ。それなら王族って選択肢もありそうだが、王族は周辺環境が面倒そうだしな。
聖女なら適当に、協会に来た患者を癒していればいいんだろう? いや、別の仕事もあるかもしれないが、今までの環境よりはましだろうからいいんだよ。
…………まあ、多少ちやほやされたいと言う願望もあるけどな。
いや、もうそんなことはいい。ガチャを回そう。
C以上来い! C以上来い! C以上来い!
そう念じながらガチャのレバーを回した。
そして、がたがたカプセルが落ちて来る音がして、手前にある受け皿にカプセルが出て来た。
俺がそれを取ろうとした瞬間、横で見ていた自称女神がそれを掠め取って行った。しかも勝手にカプセル開けてやがるし。
「おい、いきなり掠め取りに来るなよ。少し驚いただろう?」
「いいじゃないですか。それで中身はぁ………おおっ!?」
む? 何やらよさげの反応。もしやSSランクが来たか!?
「Sランクチケットです! おめでとうございます!」
「おお!」
SSランクじゃないのか。いや待て、Sランクでも十分じゃないか!
「さて、ではSランクチケットが出ましたので、5つ要望を受け付けますよ! あ、先ほどの要望を入れるなら、後は3つですね」
ふむ、そうだな。聖女は確定として、後は何が良い?
理想の体型も良いな。少なくとも次の人生を過ごすのだから、気に入った体で過ごしたい。
柵のない立場とかはどうだ? 少なくとも面倒ごとが減る可能性はあるだろうし。
後はなんだ。特に思いつかないが、とりあえず今思いついた物を先に伝えておくか。
「とりあえず、聖女と理想の体型、それと柵がない立場を要望として出します」
「聖女と理想の体型ですね。ただ、柵の無いとなると、聖女の立場的にかなり難しい内容なのでこれも要望2つ分に数えますが、どうしますか?」
マジか。いや、待てよ? そもそもあと一つは思いつかなかったのだから、別にこれでもいいのではないか。
「いや、それで構わない」
「了解でーす。でわでわー、新規転生者様、1名ご案内―!」
何で居酒屋のテンションなんだよ。そう思うと同時に俺の視界が少しずつ白く色彩が薄れていった。
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