第48話 テス勉

 最近委員会以外で三輪先輩をあまり見なくなった。

 所感としては嵐のような感じだった。


 いきなりブォォォってきてブォォォっていった感じだった。

 まあ先輩だから忙しくなったのだろう。勉強とか部活とか色々あるんだ。そう思うと進級するのも怖くなってきた、けどだからと言って留年をする訳にもいかない訳で。


 これが成長するという事なのだろうか。


 とは言いつつも中間テストが始まりつつある。


 俺は中学とは全く難易度の違う問題達に苦戦していた。それはもう、恐ろしいほど。特に理系科目。


 数学、物理とか本当に恐ろしい。もう……一体どうしたらいいんだ……


 俺は絶望した、終わりだ。そして俺はテストまでの地獄の日々を過ごす……と思っていたのさ。


 そんな中、神が現われた。




「勉強……教えようか?」




 おお……


 神よ……


 Oh my godとはまさにこれの事。


 高瀬が……教えてくれるってよ……


 という訳で今は図書室で高瀬に理系科目を教えて貰ってる。


「これってさぁ……どういうこと?何を聞いてんの?」


「確かに周りくどいけど……実数の数を求めてってことだよね」


「そもそもさぁ、実数って何なんだっけ?」


「簡単に言うと数字だよね」


「数字……?」


「15とか、√3とか、3/4とか、28.9とか、-2とかそういう感じの」


「じゃあ実数が全てっていう事?」


「まあ虚数っていう一個上の学年になると習う数字もあるんだけど……」


「ええ何それ」


 虚数……?

 虚構の数ってことか?

 何なんだ?

 虚構……現実には存在しない……負の数……?

 いや、でもさっき負の数も実数って言ってた。


 へ?



「まあ虚数っていうのは2乗してマイナスになる数って感じかな?」


「ハァ?」


 どういうこと?2乗したらどんな数も正の数になるって中学生の頃習いました。


「iっていう文字を使って表すんだけど……」


 ああああああああもうダメだ。も、頭パンクしそう。


「こ、この話やめないか?」


「あっうん、そうだね……」


 という訳で普通のテスト勉強に戻る。


 一応基礎問題は出来るので応用問題を中心に教えて貰ってる。数学Ⅰと数学A、範囲が広いが文句など言ってられないからやるしかない。

 世知辛い……


 とか言って数学だけやっていく訳にもいかない。物理の力学、化学の計算問題も教えて貰わないとな。そのかわり英語とか現代文、etc、文系科目は俺が教えるっていう事になってる。教えることなんて無さそうだけどね。


 若林も呼んで一緒に勉強しようって誘ってみたんだけど、部活が忙しいらしい。どうやら大会が結構凄い所まで進んでいて練習三昧だそう。なんか、若林って中学時代他県の凄い選手だったらしい。凄い選手だったら何で松井は知らないのかって思ったけど他県なんだもん、仕方無いよね。

 他県から引っ越しした理由も親の転勤で思いがけないことだったらしい。そこで似たような趣味を持った俺とかと友達におなれて嬉しかったといってくれた。


 な、なんだよ、泣けるじゃん。まるで少年漫画じゃん。俺も若林からそう言われて嬉しかった。


 あと若林は他県に彼女いるから遠距離恋愛らしい。休みの日には彼女に会いに行っているそう。俺が遠距離恋愛なんだったら彼女の浮気とか大丈夫?とか聞いてみると、若林は笑顔で僕は彼女を信頼してるから不安なんて無いってさ……


 モノホン主人公だよ、お前は。


 俺は脇役、だけど主人公に近いポジションだ。おいしいぞ!


 ていうかこんな事考えている暇無いな。


 勉強に戻らないと……



 ***


 それから2時間後



「そろそろ終わる?」


「そうだな、終わろう。疲れたしお腹空いたしさ」


「じゃあさ……次の勉強さ……」


「うん」


「僕のお家で……やろうよ」














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ここらで少し進展させたいところ

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