第42話 閑話 部活②


「これが今日引いてもらう18ポンドの弓ね。これは学校の弓で、かなり軽い。近射用の弓だね、かろうじて畳に刺さるぐらいだ」


「おお」


 渡して貰った弓はハンドル、所謂持ち手の部分が赤色、リム、弓のしなる部分が黒色だった。弓を少し観察していると、〔MADE IN KOREA〕とあった。先輩が前に、韓国はアーチェリーが日本に比べて盛んで、アーチェリーのメーカーが存在するらしい。



「アーチェリーで一番大切なのは射型だから、一番最初は軽い弓でやってもらうからね。」


「はい。」


「じゃあまず、矢をつがえずに弓だけ手順通り引いてみようか。あ、ちなみに矢をつがえない状態で弦を離してしまうと、弓が壊れるからくれぐれもしないように。じゃあ始めようか。」


「はい!」



 大きく手順としては五つある。一つの手順の中にも複数の動作があるが、まあ気にしない。




① 足を肩幅ぐらい開く。この時、シューティングライン(弓を唯一引いて良い場所を示す線)を中心に、足を平行にする。実際に射つ時はここで矢をつがえる。




② 弓を斜め(↘️こんな感じ)に構える。この時にはすでに顔は的の方に向けておく。そして、弓を固定するため少しだけ弦を引っ張っておく。




③ 目線の高さまで、弓を上げる。ここで、的の中心であるゴールドにある程度狙いをつける。




④ 弦を引きながら弓を下ろしていく。弦を引っ張っている方の手、引き手は顎の真下に置く、目安としては引っ張ってきた弦が唇の中心、鼻の頭につけるといい。そして、この時前に出している方の手、押し手はハンドルを握らない。弦を引っ張っているので、握らなくても弓は固定される。

押し手側の肩が上がらないようにする。 弦を引っ張る時に一緒に体が持っていかれて体か斜めにならないようにする。

押し手の先端と引き手の肩までは一直線。引き手の腕からは少し上に斜めになる。(↗️)

押し手と引き手の力のバランスを保つ。どちらかの手が強すぎたりすると矢はおかしな方向に飛んでいく。




⑤ここで矢を射つ。射つ時は引き手をあたまの後ろ、正確に言うと頭の右側(左利き用の弓を用いる場合は左側)に手をシュッと素早しく、滑らかに動かす。この時、弦を引っ張りながら手を離してはいけない。手を離すのは④でセットした場所で離して、離した後に手を動かす。

押し手は射った直後は動かしてはいけない。そして、ハンドルを握ってはいけない。フィンガーという押し手とハンドルを繋げる紐を用いるので射った後に弓が落ちる心配はない。もし、握ったまま射ってしまうと押し手が射った時の反動でぶれてしまうため。




「練習はこんな感じでいいかな、じゃあ早速射とうか!」


「遂に……」


「矢を弦のノッキングポイントにはめて……レストの上に乗せて……そう!じゃあ後は手順通りやるだけ!」




 ①……

 ②……

 ③……

 ④……

 ⑤……



 そして放つ。

 音がした。至近距離ではあるが、確かにその矢は空中を移動した。その時にひゅんと音がしたのだ。


 そして畳に到達すると、気持ちの良いたんっという音がした。その時に平本は悟った。アーチャーは皆この音の虜なのだと。そして、射った後の確かな爽快感、何かが一気に解放されたこの感覚。



 これは、やめられない。










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お久しぶりです。課題がおおいです。

この回はぶっちゃけ読まなくて良いです。文章を書く訓練として利用させていただきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る