第40話 倶楽部
「お待たせいたしました!こちらラーメンこってり3つになります!味玉トッピングのお客様は……」
「ぼくです。」
「こちら前に置かせていただきますね、こちらセットの炒飯です」
「唐揚げをお作りするのに少々時間がかかっておりまして、もう少しお時間いただいてもよろしいでしょうか?」
「ちょっと待たせるってどういう「大丈夫ですよ」……」
「ではもう少々お待ち下さい」
***
「三輪せんぱ~い~~」
「な、ななななな何?」
「ちょっと待つくらいでそんなにキレなくても~~」
「べ、別にキレてた訳じゃないからね!ね!あの……その、あれよ!あのーー、くしゃみ!みたいなモノよ!」
「え、えぇ……無理があると思いますよ」
「無理とか……違うって!本当にくしゃみだって!」
「ほーんとうですかぁ?」
「ほ、本当よ?」
「まあね、ゆったり生きましょうよ」
「うん……」
~三輪side~
危ない危ない!
平本君を想うあまり……
これはまだダメね。
まあ、とにかく!ラーメンも到着したことだし!一緒に食べよう!
~平本side~
「じゃあ食べます?」
「「うん!」」
「(全ての命に感謝を込めて……)いただきますっ!」
「「(平本君と共に過ごすこのお昼の時間に感謝を込めて……)いただきますっ!」」
そしてラーメンをすする。別に俺はラーメン通じゃないから「スープから飲むんだ」何てことはしない。
それにしても上手い!この喉に染みる味!ちょっとスープも飲んでみようかな、久々の天一だ。
あ゛あ゛~~~サイコーーー!このドロッとした旨味の強いスープ!これが天一だな!これだから天一は止められない!
ここで炒飯をかき込む。
勿論炒飯もしっかりとした味付けなのだが俺は口直しとして利用する。「美味しい口直し」……最高だな!……炒飯も美味いなぁ!
来た甲斐があった……ほんっっっっっっとうにさいっっっっっこう!!!!!
「ひ、平本君?」
「うん、どうした?」
「僕の味玉いる?二つあるしさ……」
「高瀬が良いなら……貰う!」
「うん、じゃああげるね、あーーーん……」
「……ん?うん、あーーーん……」
「あ、ああああじゃあ!私も麺あげるわよ!」
「えええ、ありがとうございます」
「平本君、味玉入らないから口開けて!」
「え?お?え?うん、あーーーん……」
「ほら!私も麺をあーんしてあげるから!あーーーん!」
「ふぇ、ちょま、え、待って、あーーーーーん!」
「はい味玉~~」
「はい麺~~」
俺の目と鼻の先に味玉と麺が現れた。目の前で光り輝く味玉と麺。そして俺はその光景に絶望する。そう、未来が見えたのだ、昔懐かし、いや、レジェンドとでも言おうか、あの三人組を瞬時に思い出したのだ。あれはプロの所業だった、トーシロがやるものじゃないのだと。最低限の被害で最大の利益を生む、それが彼らにのみ成せる技であった。その技を今、俺は半ば強制されている状態に陥っている。完全に強制されている訳ではない。抑えこんでしまえば何の問題もない、だがしかし、一体誰がそんな事が出来るというのだろうか。これは義務なのか?いや、そうなんだ、これは義務なのだ。これは俺として受け入れる他無いのだ。漢を見せろ、ここで漢を見せずしてどこで見せると言うのだ。覚悟を決めろ、心を決めろ、漢を見せろ、踏ん張れ、やろうと思えば大概の事は出来る、いけ………いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!よろしくお願いしまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすっ!!!!!!
「あっつぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
これが……彼らのやっていた事だったのか……確かに、こんな事……彼らにしか出来ないよな……
ふふ……まだまだって、とこだな……
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