ヒロインは男の娘でした。いいね。
綺麗なお花畑「わぁ、キレイ。」
第1話 可愛いね
高校進学というのは、人によって捉え方が違う。
新しい世界に心を躍らせる人もいれば、ガラリと変わる環境に憂鬱になる人もいるだろう。俺「
そんな俺は私立で県で3か4番目に賢い学校に進学した。中学の同級生は一人もこの高校に進学していない。皆、平均くらいか平均より少し上、もしくは一番賢い学校。一人くらいはいるだろうと思ってたんだけども。この世は残酷だ。残酷って程でもないけれども。
そんなブルーな気持ちで迎えた登校初日、俺はその瞬間を忘れられない。
教室に凄く可愛らしい子が入ってきた。俺のタイプど真ん中。主張の強すぎない落ち着いた顔で、よく着物が似合いそうな大和撫子みたいな。ただ、何か違和感がある。そうだ、ズボンを履いている。あれか、多様性ってやつだ。実際俺はスカートよりもズボンを進んで履くタイプの女の子が好きだから、かなりポイント高い。
いや、けど待て。世間では女子にスカートを強制しない学校も増えてきているらしいが、ここはまだそんなに進んでいない筈。だったらズボン、異装になっちゃうぞ?だめだぞぉ♡
そして15分後、担任の教師がやってきた。名前は「水沼美希」だそう。すると水沼先生が
「では、点呼をとるついでに自己紹介タイムを取りたいと思います。じゃあ、出席番号1番 愛園明那。」
「えー、愛園明那です。好きな食べ物はベヌジットスポポ焼き、好きな芸能人は・・・・・・・・・・」
こうして自己紹介タイムが始まった。何を言うかで今後の人生変わってくるからな、慎重にいかないと。好きな食べ物、スポーツ、TV番組、バンド・・・マズイ、ベタなものしか思いつかない。一発ギャグでもかますか、成功する確率は約2.434%。やめとこうか。こうして考えている内にとても可愛らしい声が聞こえてきた。
「は、初めまして、高瀬悠です。す、好きな食べ物はオ、オムライスで、と、得意な教科は物理と日本史です。え、えっと、よく間違われるんですけど、お、男です。よ、よろしくお願いします。」
クラス中がざわついた。
「え?男つったか今?え?」
「マジか…」
「惚れそうだったんだけどな…」
「あたしの顔と交換してくれないかな…」
「ふぅ…」
「何あの子…襲いたい…」
「💡」
「😇」
このクラスやべえよ。
それにしても男?ちょっと何言ってるか分かんないす。いやあ、これが巷で言う「男の娘」ってやつですか。初めて見ましたわ。新たな扉が開かれそうだ。
と考えている内に
「次、平本博大。」
「あ、平本博大です。好きな食べ物はチキンカツ。えーと、好きな漫画は「我の英雄育成機関」です。よろしくお願いします。」
普通すぎる挨拶いただきました!ふぅっ!おわったZE⭐️友達できるかこれ。あー、どうしますこれ。うわあ、高瀬君に気をとられ過ぎた。
「どーもー。松井輝秀ですー。中学の時はサッカー部のキャプテンやってましたー。身長は177。50m走は7秒きっちし。握力は44kg。仲良くしてねー。」
うっわこいつ自己紹介で自慢し過ぎじゃねえか?握力に到っては平均じゃねえかよ。どこ威張ってんだ。おバカさんかよ。
キモいやつとかの自己紹介で頭がいっぱいになっていたら自己紹介タイムが終わっていた。完全にやらかした。友達出来る気がしない。
「では、先生は始業式の準備をしにいくので、20分くらい待ってておいてください。体育館シューズに履き替えておいてね。あ、それまで自由にしてていいよ~。」
来ました、自由時間。クラスメイトたちがわらわらと他の机へと移動し始めた。奴等は陽の者か…
「よお!平本君だっけか?俺も「我英」好きなんだよ!」
「えっと…確か…」
聞いてなかったからわかんねえよ。やべえよ。
「若林!若林遊真!よろしく!」
明るいなあ。テンションすげー。
「おう、よろしく。」
「で、好きなキャラ誰?俺はパラマウントレディ!」
「あー、俺は…」
ふと、例の高瀬君を見るととんでもないことになっていた。
「ねえねえ、私、多田っていうんだけど何か使ってる化粧水とかあるの?」
「今まで彼女いたことある?あ、彼氏でもいいよ!」
「ハァ、ハァ、君ホットヨガに興味ない?わ、私と一緒に、ハァ、ハァ。」
女がめっちゃ集まってる。それにしても相変わらずヤバイやつがいるぞ。
「え、えっと、僕はKNIFE&COOKっていうブランドの化粧水使ってるよ。元々肌が弱いから、お、お母さんに言われるがままにつけてます。か、彼女とかはいたことはないです。ホ、ホットヨガはいいかな。汗かくの苦手だから。」
真面目に全部の質問に答えてる。凄い。おれだったら彼女いたのかとかいう質問は無視してるぜ。
「おーい。聞いてるか?好きなキャラ誰かって?」
「あ、ああ。ごめん。好きなキャラはシンリンカムロかな。」
「あー!いいよな!カッコいいもんな!え、じゃた学生だったら誰?」
「うーん、相似芽造かな?」
「おおー、渋いねぇ。俺はやっぱり驚焼杜かな。」
「メジャー所だな。」
友達ができたっぽい。相手から来てくれるのは非常にありがたい。そして相変わらず高瀬君は女子人気が高そうだ。まあ、可愛らしい顔してるからな。
そんな高瀬君を睨む人間を俺は見逃さなかった。
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はい、ありがとうございまふ。
第一話は色んな界隈のネタ等を仕込んでみました。
見つけられるかな?
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