情報量の多い心霊写真

お盆なので、ひょんな事から友人と父親のお墓の話しになった。珍しいことに同級生の私たちの父親が眠る場所が一緒だったことに驚いた。私は午前中にお墓参りを済ませ、仕事をしていると、友人から写真が送られてきた。『うちのお墓はここだよ』


私はその写真の全く関係ない隅っこをいきなりズームし、ズームし、ズームした。そこには遠くのお墓の陰から覗く人じゃない影が。


まず冷静に考えて、初めて見る写真をいきなりズームズームズームで一撃で写り込む何者かを見つけるなんてあるだろうか。まるで呼ばれたように、見つけさせられたように。


友人に話すと、怖がりつつも『お墓に写ってる影は、私と誰だろう』と言い出した、当然旦那さんだと思うが本人は『スーツ着てるね』と言う。まてよ、いくらシルエットでも旦那さんか否かはわかるだろう、そう、いくらシルエットでも‥その時拡大したシルエットの男性が歯を出して笑っているのが確認できた、シルエットではなくつやつやの墓石への反射と影だったのだ。その顔は私の父親の若い頃に似ていた。友人はそれを聞き『父親が亡くなったのは 7年前で、あなたのお父さんが亡くなったのは3年前だよね?どうして写るの?』と訪ねる。


訪ねられてもわからないわけだが、こんなに情報量が多くて収集がつかない心霊写真は初めてだった。

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