双眼鏡
中学生の頃だったと思うのですが、
友人A君が誕生日に双眼鏡を買ってもらったそうです。
星を見る望遠鏡と言うなら分かるけどなぜ双眼鏡?
A君は『景色を観るのが好きなんだ』と答えた。
私は『あぁそうか、そりゃそうだ』と思った。
ところがA君の狙いは景色ではなく、斜め前の家に住む、
女子高生の部屋を覗く事だったようだ。
昼休みに友達に話しているのが聞こえたのだから間違いない。
少々ガッカリと言うか、覗きの為に双眼鏡って呆れた。
ここからはA君から聞いた話なのですが・・・
夜になると部屋の電気を消して双眼鏡で女子高生の部屋を覗くそうですが、
正確には部屋の中が見えるわけでもなく、A君の部屋は1階で女子高生は2階、
つまり見上げる状態だからどんなに望遠にしてもカーテンの模様か、
部屋の天井しか見えないのだった。
だがA君は双眼鏡を買う前に頭にタオルを乗せて、
裸じゃないか?と言うシルエットで窓の前に立つ女子高生を見たらしく、
それを待っていたのだ、しかしなかなかその時は来ず、
暗闇で悶々する日々が続いたとか。
そんなある日、学校から家への帰り道に『ねぇ』と声をかけられた。
顔を上げると40~50代の女性だったそうです。
『はい・・・』そうA君が答えると、その女性はスッと近づき、
『いつも私の部屋を覗いてるの知ってるわよ』
と囁かれたそうです。
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