結界

友人に相談された事がありました。


『夜、クローゼットのドアがコトッと開き、その5cmくらいの隙間から誰かが見るんだよね、毎晩』


そう言われても、

お祓い能力があるわけじゃなし・・・


数々読み漁った書物の中に

結界の作り方があったのを思い出した。


ちなみに結界とは・・・

漫画や映画等では、ある領域内を守る目的で

なんらかの手段や道具などを用いて

持続的な霊的もしくは

魔術的な防御を施すことを言うらしい。

例えば霊的な能力を持つ者が、

その力を用いて悪霊などの外敵を排除し、

侵入させない霊的な壁に囲まれた空間を

生じさせるという描写、

要するにバリア的なアレである。


仏教的に言うととてもややこしく難しいので割愛。


つまり悪い奴を入ってこられなくする空間ですね。


それを友人に教えた。

実際にやる人が居たら

不味いことになるので書かないが、

あることを【時計回りに行う】

のが鉄則だった。


友人は早速結界に必要なものを準備し、

その夜に行った。


安心したのか、

久しぶりに深い眠りについた友人。

何時かはわからないが、

異常に苦しくなり目が覚めた。

目を開けた時、自分の上に見えるだけで

5人の人が乗っていた。



ズシン・・・ズシン・・・



その間にもドンドン重くなる、

どうやら増え続けているようだった。

友人は念のためにと

枕元に置いておいた塩を握り、

上に乗っているモノに向けて投げつけた。

一瞬軽くなったので、ベッドから転げ落ちるように

部屋から飛び出し、パジャマのまま近くの公園で

ベンチで数時間明るくなるまで過ごしたそうです。


結界は効かなかったのか・・・

本も結構適当だね・・・

と言うと友人は言いました・・・


『ちゃんと反時計回りにやったんだけどね』

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