第2話 もてもて7ちゃん

ただ、レースみたいな走り方をすると

風防が役に立たない(^^; ので

サイドカーテンと言われる、ドアのようなものを立てるか

ゴグルか、ヘルメット。


そういうもので目を守らないと、ゴミが飛んできて

運転できなくなる。


見た目、カッコイイ。そう見えるけど。これは、ホントに乗って走れる

玩具の車。

大人の玩具(笑)と言っても、アッチ系ではない。


女の子を乗せて走るには、まあ、不向きである・・・が。なぜか女の子は

興味を持つ・・・らしい。



一番印象にあるのは、最後にこの7を売る時の

買い取り屋の女の子セールスだった。



住んでいる街に、ガリバー、と言う買取のお店が出来たので

なんとなく行ってみた。


「いらっしゃいませー」と、ぎこちなく出てきたのは

19歳くらいかな、高卒、出たて、と言う感じの

初々しい、ひとえまぶたの地味な子だった。


お姉さんセールスが助けてくれながら、セールスのお勉強。


その子が、オリーブ・グリーンの7を見たとたん、なんというか・・・7にホレちゃったらしい。


にこにこ。ぎこちない、言葉も上手く話せない。


着ている服の襟を気にしたり、髪を気にしたり。



お姉さんセールスがマジメに査定をしてくれて・・・。200万と言う事で。


にこにこ。


お姉さんセールスが「この子、まだカレシもいないの。良かったらドライブでも・・。」

と言うので。



僕が「行く?」と、聞くと。


その子(奈津美ちゃん、だったかな。横浜営業って書いてあった、名刺に)は

明るい表情で「えー!?」と、にこにこして。少し上気した感じ。


ほっぺた赤くして。



「・・・今、勤務中ですから」と。




・・・「今」は、嫌なのかな(^^)。


「じゃ、後でね」


ひとりごとで・・・セールスしなくっちゃ。とか

自分に言い聞かせている。


もじもじして。


とっても可愛い子でしたね。





まあ、実際、この車は

女の子を乗せて走るようには・・・できていない。


髪の毛は全部、風に持っていかれて

ばさばさ(笑)。


ヘタすると、ゴボーみたいなパンクヘアーになっちゃう(笑)し、

道路のゴミも飛んでくる。


バイクもそうだが、低いとこを走ってるんで、尚更。


金物なんか飛んできた日にゃ、あんた・・・筋もんになっちゃうもんね。


女の子の顔傷つけて、責任取らされたら・・・まあ、それはそれで

いいかもしれないが(笑)。



そのくらいの子なら乗せても、ね。



でも、ドライブシャフトが外れて腰がダメになったら・・・

楽しみないもんねえ(笑)ハハハ。




僕の7は、キット、と言っても

新品部品で組んでるものだったから、その心配は無かった。


買った時、分解してみたけど

ドラトレ・パワトレとも新品だった。


燃料ホースなんて、金魚のホースみたいなビニールのやつ(笑)。


さすがにエンジンルームは耐油メッシュだったが・・・機械式ポンプなのに

リターンがない。


・・・・と言う事は、回転上げてる時にガソリンが要らない(=スロットルオフとか)時は

ガソリン過剰になる。


ワケだ。



なので、リターンを作ったり。



ラジエータ・リザーブタンクが。ない。(^^)。


ので、水が足りないと・・・・空気が混じってオーバーヒートする可能性がある。


ので、これも作った。




こういう事が出来ない、気が付かない人が


よく「7は壊れる」と言うのだろう。



見た目そのもの、クラシックカーなのである。




この辺りは、値段のたかーい、キットカーじゃない、と言っている

7も同じだから・・。


メカが解らない人が乗る車、ではない。


まあ、ロータスは元々そういう車だが。



田舎に住んでて、のんびり走れる道がある町の人が

ちょっと乗るにはいい車で

60年代のイギリスに旅行しているような、そういう気持になれる。


メーター・パネルも、風防も。クラシックだから。


「こういう車で、毎日乗れるのがあるといいなぁ」と、思ったりもした。


なので、箱根に行っても、バトル。なんて事はせずに

人のいないところをのんびり走るのが好きだった。


(たまーに、同じ7に出会うと、一緒に走ることはあった。

そうそう、ロータス・エスプリ・ターボの黄色いのに乗ってる人と

よく遭遇った)。


60km/hで走っても、相当、刺激がある。

ゴムブッシュがないので、路面の凹凸をそのまま伝えるし

風はまともに来る。

排気音はかなり・・・来るし。

エンジンの匂いもする。

熱い。


冬でも、サイド・カーテンを立てて置けば

寒いとは思わないくらいだったから

結構熱いのだろう。


夏は、ほとんど走らなかった(笑)。


エンジン・ルームの燃料パイプが、温まって

燃料が気化してしまうので

上手く回らないのだった。相当な高速で走らないと。



早朝専門である。


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