第17話 復讐者リベンは返り討ちにする

 ゴリラみたいな怪物の群れから現れた男はにやりと笑うと、姿を現そうとした。


「我が名はボウ殿に雇われし、アサシン“ラキー”。ボウ殿命令で貴様を殺しに来たぜ」


 しかし、ゴリラみたいな怪物に取り押さえられているため、身動きは取れない。


「ククッ、貴様は変な化け物を引き連れているって聞いているからな。見つけるのは容易かったぜ…」


「ウホッ(こ…こいつ今から殺されるのに、余裕たっぷりだ…)?」


「ウホッ(早く殺そうぜ!!)!」


 ゴリラみたいな怪物はその話を聞くと、すぐさま手刀でラキーの頭を貫いた。


「グバァ!!流石だな…、暗殺成功率47%の俺にダメージを負わせるとは!!」


 ラキーは頭から血をどくどく流しながら、ゴリラみたいな怪物の群れから出た。


「ほとんど瀕死じゃないの」


「ふっ、貴様らよくぞこの俺がここにいるってわかったな」


「殺し屋とか言いながら、姿見せすぎじゃないの?」


 ルミエの突っ込みにラキーはしょっぱい顔をした。


「いやほおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 リベンは早速ラキーをぶん殴った。


「グバァ!!」


「ほう、ボウが雇ったという殺し屋か。しかし、実力もこの程度とはな。やはり、無能には無能が集まるのだな」


「クックック…果たしてどうかな…」


 ラキーは目を光らせると、ナイフでリベンを一刀両断した。


「な…!?」


「ふっ、楽な仕事だぜ」


 リベンはラキーの攻撃で胴体が真っ二つになった。


 パンパパラーン♪


 パカッ。


 そして、中からは紙吹雪と共に爆弾が大量に出てきた。


「何…爆弾だと!?」


 爆弾はそのままラキーの所に転がっていくと、爆発した。


「ぎゃああああああああああ!!」


 その爆風は集合すると、リベンの体を形成し、そしてそのまま元に戻った。


「復活!!」


「うっそだろぉ、お前!!」


 その光景を見ていたルミエは目をぱちくりさせながら、ロークスとフラムにこう言った。


「あんたらよくあれ一緒にいてて、頭おかしくならないわね」


 二人は苦笑いをしながら、


「オレはそもそも無理やり来られたんで…」


「私もまだ慣れないかなー?」


と答えた。


「くっ…これが勇者パーティのメンバーを倒した男!凄ざましい実力だ!!」


「うおおおおおおおおおおおおお!!」


 リベンは勢いに任せて、チェンソーで片っ端から公園の遊具を破壊し始めた。


「きゃあああああああああ!子供たちの遊び場が!!」


「遂に驚いたか」


「なにしてるの!?リベンさん、子供たちの可哀そうでしょ!?」


 フラムはリベンの(いつもの)寄行に驚いた。


「食らえ!!芭啞火保二刀流奥義“キッズに遊ばれた物の末路”!」


「ぎゃああああああああああ!!」


 リベンは遊具の破片をラキーに投げまくった。


「リベンさん!公共物ですよ!公園を今すぐ戻してください!」


「ふっ、その辺抜かりはない」


 フラムの抗議にリベンは一枚の木の葉を取り出すと、それを地面に投げた。


 すると、木の葉は巨大なアトラクションへの変貌した。


「芭啞火保二刀流奥義“リベンファズゴリラピザ”!!」


「変な店が出てきた!!」


 建物自体は綺麗であり、中ではどうやら可愛いマスコットが接待しているようであった。


「これ大丈夫なんですか?」


「ふっ、安心しろ。よく見ろ」


「えっ、もう子供たちが遊んでいるの?」


 だが、実際に遊び来ていたのは…。


「何だって!?ピザ屋さんにマスコットが!!これは遊ばずいられない!」


 大きなお友達だった。


 ラキーは戦闘中であるにも関わらず、子供たちを押し退けて先に入ってしまった。


「いらっしゃい~」


 中ではロークスが店員に扮装して待ち構えていた。


「何?リベンの仲間だと!?」


「まぁ、そう言うなって席に着けよ」


「お、おう。それなら遠慮なく」


 彼はそう言って、ラキーを椅子に座らせた。


「ぎゃあ!」


 しかし、椅子には画鋲があった。


「何だ、この子供みてぇな悪戯は!?てめぇいくつだ!?


「まだ17歳だけど~?」


「うぜぇ、こいつ!」


 そう言う二人のやり取りをやっていると、ウェイトレスの格好をしたルミエが現れた。


「店内よ。静かにしなさい」


「あのおっさんもおかしいけど、お前らも着替えるの早すぎねぇ!?」


 ラキーの突っ込みを無視し、彼女は料理が乗った皿を置いた。


「はい、これ自信作よ」


 だが、料理下手なルミエが作った料理だ。


 その料理は黒ずんでおり、何やら触手のようなものが蠢いており、冒涜的な雰囲気を醸し出していた。


「「ぎゃあああああああああ!!何だこれ!?」」


「ピザよ。結構自信作なのよ」


 ルミエは自信満々に答えるが、ロークスは思わずこう突っ込んだ。


「何でこうなんだよ!!何か新しい生命体になってるじゃねぇかよ!!」


「オデクワレタクナイ」


 ルミエの作った“狂気のクワトロピザ”は消え入りそうな声でこう言った。


「キエエエエエエエエエエエエ!!喋ったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 ラキーもその悍ましい声に戦慄した。


「店内では静かにしろおおおおおおおお!!」


「「ぎゃあああああああああ!!」」


 リベンはラキーとロークスを蹴り飛ばした。


「あっおじん。ピザ作ったんだけど食べる?」


「復讐対象増えそうだからいらん」


 リベンがそう言うと、ルミエは軽くため息を付くとゴリラみたいな怪物の方を向いた。


「しょうがない。あんたら食べて」


 彼女はそう言うと、ゴリラみたいな怪物の前に置いた。


「ウホッ(短い人生だった)」


「ウホッホッ(来世はイケメンがいいな)」


 ゴリラみたいな怪物は意を決すると、物体を口に運んだ。


「「ン ゙ー マ ゚ッ!ア゛ア゛!!」」


 そして、大量の血を吐き出し、絶命した。


「よくやったあああああああああああああああ!!」


 リベンはラキーとロークスを掴むと、ある部屋に放り込んだ。


「な、なんだここは?」


 ラキーが驚いていると、ロークスがいないことに気づいた。


「小僧!?裏切ったな!?」


「元々てめぇの仲間じゃねぇだろうが!!」


 リベンはウサギの着ぐるみを着て、ラキーを叩きつけた。


「ぐわあああああああああ!!」


「さぁ、貴様のところに盗塁王が殺しに来るぞ!!」


「何ぃ!?」


 すると、物凄い足音が聞こえた。


「みんなのアイドルフォクシーさんだ!!」


 彼がそう言うと、ゴリラみたいな怪物が部屋に侵入してきた。

「やっぱてめぇかあああああああああああああああ!!」


 ゴリラみたいな怪物はワニガメを持つと、それをラキーに押し付けた。


「ぎゃあああああああああ!!ワニガメに食われる!!」


「そろそろ飽きたから止め刺すぞ!!芭啞火保二刀流奥義“復讐の絶刃”!」


 リベンは復讐の力でラキーを切り裂いた。


「グバァァアアアアアアアアアア!!」


 その一撃でラキー倒れた。


「さて、こいつからボウの居場所を尋ねないとな」

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