時々言葉が亡くならないかと本気で願うのに、言葉でしか表現する術がなくて哀しくも使うのだ
大丈夫。
この疑問に対する返答の選択肢は、多く設けられているようでその実、二つしかないのではないかと思う。
大丈夫。
口を閉ざす。
純粋なる気遣いでも。
その内話してくれるようになってくれるとの些細な願望でも。
この子は他の人とは違い何か世に変化をもたらしてくれるのだから今はこうしているだけすごいわとの狂った信奉でも。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
月の石はいつしかヘドロへと容を崩す。
己を腐食させていく。
親だけが原因ではないのは、重々承知しているのだ。
けれど、どうか、心に刻み付けてほしい。
親が主軸に在ることを。
そのまま、主軸にするにしても、多くの副軸に変化させるにしても、抜き取るにしても、一生付きまとう存在であると。
大丈夫あなたは私が居なくても完ぺきな私が居るから。
そうやって、捨てられても。
私はあなたをまだ捨てられない。
捨てる方法を知らないから。
捨てたいのかどうかさえわからないから。
知りたくて、答えを。だから、無礼を承知で話しかけたのかもしれない。
森の中。地面にへたり込んでいるお姫様に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます