異世界で料理を振る舞ったら何故か巫女認定されましたけども~人生最大のモテ期到来中~
九日三誌
始まり
仲里えみ。19歳。
今日、私は死んだ……らしい。
何にもない、ただ真っ白なところに今、私は立っている。
ん~、正確には浮いている? のだろうか…
よくわからない。
上も下も右も左も真っ白で、足の裏に地面を踏みしめている感覚がないのだ。
ただ、目の前にいる美しい女性が私同様脚を下にして立っているように見えたからそう言ってみた。
彼女は女神様だそうだ。
その女神様が、今日私が予期せぬ事故に巻き込まれて、私がいた世界でいう『死んだ』のだと教えてくれた。
その時の事が全然思い出せないから、自覚が全く出来ないのだけれど……
「それで、私はこれからどうしたらいいのでしょうか?」
死んでしまったのならどうしたもこうしたもないか。あの世へ連れて行かれるのか、それともここが既にもうあの世なのか。
「貴女にチャンスを差し上げます」
「へ?」
思ってもみない解答にマヌケな声が出てしまう。
女神様はそれはそれは美しい嫣然たる微笑をたたえて説明してくださいました。
私の死が全くの想定外だったこと。
死んでしまった以上元の世界に帰ることは出来ないので、別の世界で生きていくチャンスが貰えると言うこと。
望まなければあの世行き。
特例として、生まれ変わりではなく今のこの姿で転生可、等々。
最近流行りの異世界へ行ってどうのこうのというヤツですね!
そういう内容の小説は好きだから、少し興味が沸いた。
まだまだやりたいことがたくさんあったのに、このままあの世直行は勿体無いと思った。
「行きます! 異世界!!」
ただ、そのまま放り出されても生きて行けないとわかっていたので、『私が望む物を出してくれるポケットが欲しい』と言ったら、今回だけねとお許しを頂いた。
大好きなアニメの四○元ポケットみたいでワクワクしちゃう。
こうして、ある日突然死んでしまった私は、19歳にして第2の人生を送るべく異世界へと転生することになった。
意識が薄れていく中、女神様の美しい笑顔が翳りを含む。
「どうかあの子達を……——」と消え入りそうな声が妙に耳に残った気がした。
この選択を後にとてつもなく後悔することになろうとは……この時の私は知るよしも無かったのです。
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