第370話 ボートの穴

亡き妻が好きだった湖でボートに乗りながら彼女との思い出を回想することが月一の行事になっていたが、この日はボートの底に穴が開いて慌てるはめになった。


陸は遠い。水を掻き出すが間に合わない。

すると白い手が水面側から穴を塞いでくれた。


その手には、見慣れた結婚指輪が嵌っていた。

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