第345話 俺は一般人だ

ラジオからリズムも歌詞も聞き覚えのある曲が流れ出す。

老若男女に人気の大ヒット曲らしい。

それは一般人の俺が一週間ほど前に一度だけ即興で歌ったものだ。


だが歌ったのは一人暮らし中の風呂場。

高層階で、窓は閉まっており、防音処理がされている。


そして――呟くような小さな声だった。

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