第257話 父の犬、祖父の犬、曾祖父の犬、俺の犬

お前の顔をした犬を見た。


同僚からそう言われ、それは自分じゃなくて父か祖父が曽祖父のどれかじゃないかな、と俺は思う。

父達は俺と似た年頃で失踪した。

犬神憑きの家系に生まれた彼らは人面犬になったんだろう。


そして、きっと俺も近々そうなる。

同僚も今度は本物を見るかもしれない。

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