第245話 窓に手形、窓に肉球

窓に無数の手形といえば怪談の定石。

だがその部屋に現れる手形は犬の肉球なのだという。


一部の住人はそれだけで油断し放置する。


しかしいくら可愛かろうが害成すものに変わりはなく、何人も取り返しのつかないことになったという話を聞いたのは、犬好きの後輩が音信不通になった翌週だった。

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