第230話 毛穴の腕

毛穴から髪の毛のように小さくて細長い腕がひょろひょろと生えた。

それが死んだ母の腕そっくりでゾッとする。爪の形まで酷似していた。

「過干渉もいい加減にして!」

そう思いきって毛抜きで抜いてやる。


――翌日、腕が二本に増えた。

全身から母の腕が生えるのもそう遠い未来ではないらしい。

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