第212話 主観はあてにならない

引き籠っている間に世界は終焉を迎えたらしい。

らしいというのは真実を訊ねようにも誰もいないからだ。終焉という感想も俺の主観によるものでしかない。


と、窓の外を人間に似た生物が我が物顔で横切った。


…ほら、やっぱり主観はあてにならない。

終焉を迎えたのは世界ではなく人間の方だ。

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