第171話 私名義の遺書

――そうだ、遺書を書こう。


唐突に決めた自死の予定。

不意に決めた遺書の作成。


最近腫れ物を扱うように優しい家族に何という言葉を遺そう?

そう考えながら便箋を探して棚を漁る。


そうして棚から出てきたのは、まだ書いていないはずの私名義の遺書だった。

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