第103話 父のシャツ

夜中、ふと目覚めると父が私を覗き込んでいた。

そのまま他愛もない話をし、いつの間にか眠っていた私は昨晩父が立っていたのと同じ場所で揺れる干されたシャツを見てわんわんと泣く。


急死だった。

昨日お別れに行ったところだ。

また来てほしいと呟きながら、私は父のシャツをそっと畳んだ。

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