覚書

星のない夜は

墨絵のよう


あの明かりの向こうにゆこう


つないで、たどって、足を進める

別にうちになんて帰りたくないんだ


ぼくらは

永遠の成長を宿命とした時と言う大樹に実った

小さな果実だ

決して共にはゆけないよ

結実した実は

ただ風に揺られて落ちるだけ


だから刹那を哀れみ合えば

あの明かりの向こうに行こう


つないで、たどって、足を進める

別に帰るところなんてないんだ

ただ風に揺られて落ちるだけ

時を離れて、さいごにぽとりと、落ちるだけ


永遠なんてないのさ

だから刹那を哀れみ合えば

ひとに

ものに

ときを


あいす



209/6/13

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