第6話 恋愛とは
高校でも、同学年の中では俺と七緒はちょっとした有名人だった。
七緒が俺の手を引いて登校したのは入学式の日も変わらずで、そのせいで注目を集めることに。案の定、噂は瞬く間に広がり、そのおかげでまた友人が増えた。その頃には、七緒は色気を十二分に纏うようになっており、目の覚めるような美人に成長していた。そんな新入生がいるというだけでも噂になるというのに、どうやら彼氏らしい男までいるというのだから、色恋沙汰に関心のある高校生が放っておくはずがない。そんなわけで、俺と七緒は中学入学時と同じようなことを体験した。さすがに高校生ともなると弁えているようで、あまりプライバシーに関わる問い詰めに発展することは少なくなったが、あくまで少なくなっただけだった。
俺が七緒と付き合っていないと主張した時には、狂喜乱舞する男子共。その勢いのまま七緒に告白した身の程知らず達もいたが、その全てが玉砕して帰ってきた。
七緒曰く、「そういうのはよく解らない」とのこと。
七緒らしいといえばそうなのだが、あれほどの美貌を持つ女性としては少しもったいない気もする。
奴らが告白しに行った時、俺の内心がヒヤヒヤものだったことは、まだ誰にも言っていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます