第2話
ひとりで行うはずの仕事だった。もともと、裏方の仕事が好きでこの街に辿り着いた。この街には、わけの分からんものが多すぎる。そして、その分、秩序を保つための存在もおもしろいものができあがる。彼らは自分達を正義の味方と呼称しているが、本当にやっていることは正義の味方だった。わるいものを倒し、街の平和を守る。
自分はどちらかというと悪役が好きなのに、立場上正義の味方になってしまった。裏方の仕事は、正義の味方のほうにしかない。
賄賂を強奪して、街に流入する謎の組織の出足を鈍らせろという任務。どうせまた狐なのだから、最初から殺してしまえばいいのにと思う。ただ、結局、使えるものは使う。狐が持ってきた賄賂を奪うだけ奪って、狐だけ排除するつもりらしい。
「おい。早くしろ」
なぜかついてきた女。ぼそぼそと、綺麗だとか綺麗じゃないとか、わけのわからんことを呟いている。ただ、顔は綺麗。
綺麗なものが、むかしから苦手だった。自分まで綺麗になってしまう気がする。
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