プロローグ

 その日、坂城健吾は50歳の誕生日であった。

 たまたま、仕事は休日。

 妻は出かけている。


 健吾も買い物に行くために上着を取りに、クローゼットの扉を開け中に入った。


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 そこは、クローゼットではなかった。

 真っ白く、広い部屋。

 真ん中に四角い椅子?ソファ?がおいてある。


 その部屋の壁には10個の扉。


 その扉が、次々と開いて人物が入ってくる。

 入ってくる人々を見て健吾は驚いた。


 それぞれの人物も一様に驚いている。


 驚いている理由は・・・入ってきたのはよく知っている人物であったからである。


「え・・・と、何が起こったんだ?」

「・・・さぁ・・一体、これはなんなんだろう?」

「よくわからないですね・・」


「とりあえず、まずはそれぞれ自己紹介しないか?」

 年長者である人物の提案に、健吾は同意した。

「そうだね、それぞれの状況を把握するためにも自己紹介から始めるのは良いかもしれない」


「じゃあ、若い順からかな?」

 若い男性が提案する。


「え・・・・」

 戸惑っている少年。

 若い順からすると、彼からである。

「まぁ、心配することないって。緊張する相手でもないからさ」

「で・・・でも・・・」

「まぁ、そんなに心配することはないよ。気軽に自己紹介すればいい」


「そうですか・・・では僕からですね・・・」

 その少年が話し始めた。

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