第6話

 そこの露天で売っていた、『コロニケ』という揚げ物をおっちゃんから貰って二人の元に戻る。


「決まったか?」


「お兄様!しっかりと決まりました!」


 と、メリウスが言うので、コロニケを渡す。小腹が空いていたのか、二人ともありがとうございます!と言って早速一口食べ始める。


「それで、どこにしたんだ?」


 俺も一口。お、これ美味いな。


「はむっ……小鳥の癒し邸という名前の宿屋にしようと思います。名前からして可愛いです」


「どれどれ」


 二人から地図を受け取り、その宿の名前が書いてある場所を探す。


 えーっと……小鳥……小鳥……お、あった……というこのメイン通りにある宿屋か。


「よし、それじゃあ早速移動しようか。今は昼過ぎだが、人気の宿屋は部屋が埋まっている可能性があるからな」


「分かりました!はむっ、はむっ!」


「おいおい、それは食べ歩きように買ったやつだから、急いで食べないでも大丈夫だぞ?」


 メリウスが明らかに食べるスピードを早くしたので、笑って急ぐ必要は無いと言った。メリウスも「そうなのですか」と呟くと、スピードを元に戻す。


 カレンは先程から、ずっと無言でコロニケを頬張っていた。


「カレン?」


「……!」


 話を聞いていたか確かめるために名前を呼んだら、ちゃんと頷いてくれたため、歩みを始める。


 てか、コロニケうめぇなこれ。


 コロニケをもっきゅもっきゅと食べながら、歩いて五分ほど。食べ終わった際に出た紙はゴミとなるので、魔法で燃やしておき、これも魔法制御の練習になるかと思い、メリウスの分とカレンの分はメリウスに処理を任せた。


 一回目は少々大きな火が出たが、二回目はしくじることなく、必要最低限の大きさと魔力で処理することに成功。うーむ、やはり神童だなぁとしみじみ思いながら、小鳥の癒し邸の扉を開けた。


「いらっしゃいませー!」


「宿泊で一日泊まりたいんだが、部屋は二つ空いているか?」


 俺たちを出迎えたのは、茶髪の髪をポニーテールにしてまとめており、非常に元気な笑顔が特徴の子だった。


 そして、もう一つ特徴を上げるならば、その子が予想以上にちっちゃ――――ゴホン、身長が思っていたよりもあれだった。


「え!?」


「こんなちっちゃな子が店番……!?」


「こら」


 ペチンと二人の頭を叩いておく。俺も心の中では思いかけて修正したけど、実際に口に出すのは失礼だろうが。


 まぁたしかに、見た目十歳の子が店番してたら驚くけどさ!


「気にしないで大丈夫です!ミリアも言われ慣れてますから!」


「言われ慣れたらダメだと思うんだけど……」


 えへへ、とはにかむミリアと名乗った少女。


「へぇ……ミリアちゃんは何歳?」


「今年で11歳です!」


「11歳!?その歳でもう店番任されてるの!?」


「はい!お父さんとお母さんが、ミリアがいると客足が伸びて儲かるって言ってました!」


「すっごい現金!?」


 いや、まぁ確かにミリアちゃんは将来絶対に美人になりそうなイメージが湧いているが、まだ10歳の少女に何を教えてるの親御さんは……。将来お金にがめつくなりそうだなこの子。


「はいはい、二人とも、仕事の邪魔しちゃダメだよ……それでミリアちゃん、二つ部屋は空いているか?」


「はい!空いてますよ!ちょっと待っててくださいね!」


 と、ミリアちゃんは「うんしょ」と言いながら部屋の空いている状況が確認できる紙を取り出すと、受付テーブルに置いた。


「隣同士なら、こことこことここが空いてますよ!場所によって値段が変わることは無いので、お好きな所にどうぞ!」


「カレン、メリウス、どこがいい?」


「私はどこでもいいよ。メリウスちゃんが決めて?」


「えっと……じゃあここで」


「分かりました!お風呂とご飯代を追加するとプラス料金が発生しますが、どうしますか?」


「是非よろしく頼む」


 お風呂は女の子にとって美容を守るためには大事な事だもんな。


「分かりました!それでしたら三人合計で金貨一枚と銀貨4枚になります!」


 へぇ、メインの通りにあるのに値段は結構お優しめなのか。あのクソ勇者に着いて言った時は、4人で金貨五枚とか取られたことあったんだが。


「……はい、どうぞ」


「ありがとうございます!これがお部屋の鍵となります!」


「ありがとう、お仕事頑張ってね」


 と、カレンがミリアに手を振ってから今回借りた部屋へ向かう。勿論、部屋割りは俺が一人で、メリウス達が二人である。


「じゃあ、はいこれ」


 と、俺は二つあるウチの片方をの鍵を渡す。


「ご飯食べたら、作戦会議をするから俺の部屋に来いよ。その時にしっかりと鍵を閉めておけよ」


「分かりました!」


「それじゃ、行こっか」


「うん!」


 と、和気あいあいと行く二人の背中を見つめながら、あの二人も仲良くなったなぁと謎目線で思ってしまった。


 仲良きことは美しきことかな。


「さて………」


 二人の部屋に結界張っておくか。一応念の為に。




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ウマネストで貰えるゴルシ、まーじつよくね?まぁゴルシだから仕方ないか。それよりもスピードタイプが貰えるのはマジでありがたい。作者スピードタイプはゴールドシチーとスイープトウショウしか持ってないの……

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