第14話
あの出来事から1ヶ月ほどが経ち、俺達への敵意も薄くなってきた今日この頃。俺達は学校の帰りに新居に訪れていた。
「さぁ蒼太くん。私達の愛の巣へ参りましょう」
新居は俺達の家からあまり遠くなく、歩いて20分程で着く距離だった。学校までの距離が少しだけ遠くなったがそれも仕方ない。
紅愛に手を引かれながら、新居へと足を踏み入れる。
家の中は外見からも想像出来るように西洋風になっており、俺の和風な家よりも紅愛の家に近い造りだった。
「蒼太くんが望むなら取り壊して和風にも出来ますがどうしますか?」
「いやこっちの方が良い。洋風って何だか新鮮だし」
「分かりました。まずはリビングに案内しますね。あっ、そこがトイレでその横が洗面所です」
廊下を真っ直ぐ進み、ガラスドアを開けると広めのリビングが姿を現す。家具が無いため余計に広く感じる。
「家具は明日買いに行きましょう。あちらの部屋が寝室でこちらが脱衣所と浴室になっております。浴室は二人で入れるように広く造ってもらっていますよ」
「えっ?二人で入るの?」
不思議に思いそう聞くと、紅愛は驚いたように目を見開いた。そして徐々に目から光が消え失せ、俺の手を掴む力が強くなってくる。
「えっ……入らないのですか?どうしてです?私が嫌なのですか?蒼太くん……答えてください」
「そ、そうじゃなくてびっくりしただけ。紅愛の事は大好きだし風呂も一緒に入るから。ねっ?」
「ならいいです。まったく蒼太くんは……」
紅愛の様子は元に戻ったが、腕を組んできて先程よりも密着してくるようになった。纏う雰囲気もどこかいじけた様子で早急に機嫌直しが必要だと感じた。
「……あっ!そうだ。紅愛、今日泊まりに来ない?」
「っ!行きます!お泊まりします!」
「良かった……そしたら明日そのまま家具を買いに行こうか」
「はい!んふふ〜♪ねぇ蒼太くん♪ちゅーしてください♪」
こちらを見上げて目を瞑り、唇をツンと突き出す紅愛。キス待ち顔でいられたらこんなの拒否権がないのと同じではないか。
「分かったよ。ちゅっ……」
紅愛の頬に手を添えて唇を合わせる。
「んっ♡…………ぷはっ♡ありがとうございます♪」
すっかり上機嫌になった紅愛は軽い足取りでリビングを後にする。2階に続く階段を上ると、正面に1つ、奥に2つ部屋があった。
「右奥が蒼太くんの部屋でその向かいの部屋が私の部屋でこの部屋はエッチ部屋です」
「……エッチ部屋?」
聞き慣れない単語が出てきたぞ。嫌な予感がする。
「……分からないですか?では言い方を変えましょう。私の調教部屋です♡蒼太くんはここに入って私を調教するのですよ♡…逆もありますけどね♡」
背伸びをしてわざわざ耳元で囁いてくる紅愛。ゾクッと背筋が震えてしまう。
「そ、それは……」
「普段のエッチは寝室、過激なエッチはこちらでやりましょうね♡」
「……はい」
どうしよう……この調子では絶対に将来尻に敷かれる未来しか見えない。
「それでは下に戻りましょうか。まだ紹介してない場所もありますしね」
そう言って再び俺達は下に降りた。
どうやら紹介してない部屋というのは子供部屋やクローゼット、客室だったらしい。
それと子供部屋の紹介の時に言外に早く妊娠させろと言われてしまった。
まだ学生だから駄目だと断ったが絶対諦めてないはずだ。注意してないといつの間にか妊娠していたという事態になりかねん。気を引き締めよう。
「……これで大雑把な紹介は済みましたね。いよいよ明後日からこの家に住むんですよ。楽しみですね」
「そうだね……休日は忙しくなりそうだ」
「頑張りましょう。明後日はたっぷり癒してあげますから♡」
あ〜そこで俺の股間に手を添えなければ完璧だったのに……
紅愛の手を無視して、話を再開する。
「それじゃあ紹介が終わったんなら行こっか。多分母さんもご飯作り終わったくらいだろうし」
「ほんとに御夕飯までお世話になってよろしいのですか?」
「いいよいいよ。母さんにさっき連絡しといたから」
「……分かりました。では行きますか」
紅愛と新居を出て、家に向かう。春になり、夕方でも大分明るくなってきたので隣を歩く紅愛の顔が良く見える。
ルンルンと鼻歌交じりに歩くその姿が普段の様子とは全く違い、あまりにも幼く可愛かった。
「……今、笑いましたか?いえ、笑いましたよね?」
「ううん。可愛くて微笑ましかっただけだよ。別に笑ったわけじゃない。紅愛が鼻歌まで歌ってたからね」
「そ、そうですか…///恥ずかしいです///」
紅愛は俺の腕に顔を押し付けて悶える。可愛えぇなぁ……
俺はほのぼのとした気持ちのまま帰路についた。
勿論この後たっぷりと交わった。そしてなんと今日は俺が責め主体だったのだ。受けの紅愛は超可愛かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
僕も書いててどちらかというと紅愛は受けに回ってもらった方が可愛いなと思います。皆さんはどちらが良いですか?
フォロー、コメント等よろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます