学校一の美少女は幼馴染なのに一向に靡かず、小柄な後輩がもうアプローチしてきて困ってる!

闇野ゆかい

第1話空き教室の教卓の下で女子と

「ひぃら~つかせぇーんぱいっ、私には魅力がないんですか?」

教卓の下で、後輩の杏美が馬乗りになって甘い声で囁いてきた。

汗ばんで、身体に張り付いたブラウスが透けて、みえるんだよっ!

俺の目の前に杏美のつぶらな瞳があり、熱のある吐息が耳の中へ入っていって、背中になんともいえないものを感じていた。

やわらかい胸が当たって、うまく思考できないでいた。


何でこいつは、俺の前だけこんなに色気を出してくるんだぁぁぁぁ。


「なんとか言ってくださいよぅ、平塚せぇんぱぁいぃ」

妖艶さが増した声で追及してくる杏美。

理性がもうっっ、無理かもしんねぇっ。


もうどうにでもなれっっ俺の高校生活っっ!


俺は、教室の外にまで聞こえる声で叫び声をあげた。


「いやっだかぁらっ!魅力のあるなしの問題じゃないんだってぇっっーーー!」


5分経過して、同級生の阿志渡和実あしどかずみに助けられた。冷笑を浮かべられながら、クズを見るような瞳のまま、

「金輪際、近寄らないでっ!平塚、いやクズっ!」

と、吐き捨て教室の扉を勢い良く閉めて去っていった。


「澄ました顔してないで、誤解を解いてきてくんない。杏美」


椅子に腰かけ、こちらを見つめる杏美。

「良かったですね。これで続きがっいたぁいっ、何するんですか?」

「するわけねぇだろ。好きな奴がクズ呼ばわりされてんのに笑ってんじゃねぇ、それにいいわけあるかっ!」

俺は、杏美に拳骨をくらわせる。


「私にしておきましょうよ。氷沙伊先輩に靡かれてないんですからぁ」

頬を膨らまし拗ねながら、事実を突きつけてきた。


「まあ、そうなんだけど......ってまたやられたいの、杏美?」


「もうしないですっ。女子に手をあげるなんて、最低ですよ」


「ごめん。明日からどうしたらいいんだよぅっ、俺っ」

頭を抱えていると、肩に手を置いて、呟く杏美。


「これから、私が平塚先輩の隣にいますから」


何の解決にもなってねぇんだけどぉぉー!!





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