ウィンナーコーヒー

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます」

「最近、急に寒くなったな。こう寒いとホットコーヒーが恋しくなるよ」

「そ、そうですね。ワタシモコーヒーノミタイ」

「何故急にカタコトになった」

「な、なってませんよぉ~?」

「そういやお前、コーヒーは詳しくないって言ってたけど、さすがにウィンナーコーヒーは知ってるよな?」

「もちろんです! 熱々ウィンナーの歯ごたえが最高!」

「お約束のボケをどうも。言っとくけど、ウィンナーコーヒーにソーセージは入ってないぞ」

「えっ……」

「えっ、じゃねえよ」

「あ、そう、そうでした! ウィンナーコーヒーは、ウィンナーサンドイッチと相性抜群のコーヒーですよね!」

「それも違うかな」

「ですよね~。実際はウィンナーで丁寧にダシをとったコーヒーですもんね~」

「カツオで丁寧にダシをとった味噌汁みたいなノリ」

「ふう、やっと正解しました」

「いや、不正解だよ。ウィンナーコーヒーは、ソーセージとは無関係で、ウィーン風のコーヒーって意味だぞ」

「ダシではない……だと?」

「そもそもコーヒーを作る過程で、ダシをとる瞬間なくないか?」

「やってみたら意外とおいしい可能性も」

「脂っぽくなるだけだろ」

「それで結局、ウィーン風のコーヒーとは……?」

「生クリームをたっぷり乗せたコーヒーだよ。アイスもホットもあるけど、アイスだと生クリームが溶けにくいから、俺はホットで飲むのが好きかな」

「要はそれ、甘いんですよね。ならば、ピリ辛ウィンナーサンドイッチと相性いいのでは?」

「まあ、悪くはないだろうけど」

「そのウィンナーを途中でコーヒーに入れて、丁寧にダシをとって、味の変化を楽しんだらまさに一石三鳥ですな」

「やめておけ。コーヒー好きに殴られるぞ」

「はい……。わたくし、今回はお役に立てなかったので、浦島殿が最後の挨拶をどうぞ」

「わかったよ。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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