2021年10月の講義
副反応
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。先日2回目のワクチンを接種しましたが、副反応で高熱が出てしまって、シルバーウィークは3日間ずっと寝込んでおりました」
「シルバーウィーク? ちょっと前の話だな」
「はい。ブログに書こうか悩みましたが、これから接種する人を不安にさせるのは良くないと思い、しばらく胸に秘めておりました」
「ブログには書かないのに、ここには書くのか?」
「ここはほら、常連さんにそっと差し出す裏メニュー的な存在ですので……」
「閲覧制限まったくないはずなのに、人気がなさすぎて、裏っぽい空気が出てるのはわかる」
「とにかく大変でしたよ。39度の熱が出て、全身の筋肉が痛く、呼吸もしづらく、鐘を鳴らすような頭痛がして、全身から滝のような汗が出ました」
「フルコースだな」
「震えが止まんない……これが、恋?」
「違うと思うぜ」
「そんな状況でも、筆者は実家暮らしなので、薬や食べ物を買ってきてもらえます。ですが、一人暮らしだったら打つ手なしですよね」
「ウーバーに頼るとか……?」
「いえ、あの状況ではウーバーを利用するのも無理でした。つらすぎて、スマホ持てなかったので」
「そんなにひどかったのか」
「ええ。3日間寝込んだ後、ようやく起き上がって鏡を見たら、特殊メイクなしでゾンビ映画に出演できるレベルでした。それはそうと、一人で生きる覚悟なんてとっくに出来ているつもりでしたが、将来本当に孤独になった時このような状況をどう乗り越えるかは大きな課題だと感じましたね」
「そこは、一人暮らしの避けられない問題だよな」
「墓は用意しましたが、まずは生きることが大切ですからね」
「俺も、ワクチンこれからだから、薬と食べ物は充分に備えておくよ」
「わたくしに連絡をくだされば、いつでも看病に行きますぞ。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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