Re:浦島太郎(6)
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。ラスボス乙姫を打倒するべく、竜宮城周辺でレベル上げ中の我々ですが、そろそろ飽きてきましたね」
「男2人のパーティーで鬼周回を要求されるとか、クソゲーだな」
「まったくですね、制作者の顔が見たいです」
「いや、お前がこのゲーム作ったんだろ?」
「そこは仕方ありませんよ。課金前提で難易度調整しておりますので、無課金ならこれくらいの周回は必要かと」
「まったく、ちょっとは客のこと考えろよな?」
「無課金勢はそもそも客じゃねえんだよバーカ」
「よし、引退するわ。アカウント削除……」
「お待ちくだされ! 今なら3日間ログインで伝説の釣り竿がもらえます!」
「伝説の武器を配布……だと……?」
「はい、今までこのゲームを応援してくださったお礼です!」
「あ、これ完全にサービス終了フラグ」
「それから現在、期間限定で獲得経験値が100倍になるキャンペーンを開催中です。さあ、ひと狩り行こうぜ!」
「しかし、今さらの疑問なんだが、竜宮城のタイやヒラメを倒すのはどうなんだ? 俺は部外者だから許されても、お前にとっては同僚だろう?」
「やだ、心配してくれてるの……?(トゥンク)」
「無駄に亀の好感度が上がって正直うざい」
「お気に召されるな。同僚を殴り倒して経験値を稼いで出世するというのは現実でもよくあることです」
「いや、ないだろ」
「それに、わたくしは竜宮城の関係者ではなく、フリーの客引きに過ぎませんので、タイやヒラメを倒しても問題ありません」
「つまり俺は、フリーの客引きに騙されて竜宮城へ連れていかれたわけか」
「イヤなら駆け落ちします?」
「そんな『コンビニ行く?』みたいなノリで誘われても」
「おっと、そうこうしているうちにレベルが大幅にアップしました! 次回はラスボス戦に再挑戦しましょうね!」
「色々と雑すぎる」
「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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