ザイオンス効果

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。今回のテーマはザイオンス効果です」

「お前、最近『〇〇効果』の話好きだな」

「そういう話をすれば恋愛講座っぽい、とか思ってませんよ!」

「思ってるんだな」

「コホン。ザイオンス効果とは、名前は仰々しいですが、極めて単純な話です。接触回数が増えると、人はその対象に好印象をいだく……というものですね。日本語では単純接触効果と呼びます」

「なるほど」

「これは人だけでなく、物や二次元の存在にも当てはまります。例えば何か買う時、まったく知らない商品よりも、CMで見て知っている商品の方が何となく安心感がありますよね。それからアニメだと、たまにしか登場しない主人公の友人よりも、毎週出てくる悪役の方が親しみがわくでしょう? そもそも筆者は、登場回数とか関係なく、最初から主人公より悪役の方が好きなドMですが」

「今の情報、ザイオンス効果の説明に必要か?」

「いりません」

「まあでも、言いたいことは理解できるよ。恋愛でも接触回数を増やせばいい、って話だな」

「はい。気になる相手とは、こまめに会うようにして、直接会えない時はメールなどでコンタクトを取るとよいでしょう。ただし、やりすぎると逆効果になりますが」

「しつこすぎるCMも、またかって気分になるもんなぁ」

「ですね。ザイオンス効果で重要なのは、あくまでも接触の頻度なので、深くやり取りする必要はありません」

「この講座も、ひょっとすると、ザイオンス効果を活用しているのか? 各回は800字くらいで短いけど、更新の頻度は高いっていう……!」

「ふふふ、いいところに気が付きましたな! まあその割に人気ありませんけどね」

「切ない自虐はやめるんだ」

「言われる前に言っておく作戦です。何はともあれ、好きな人ができたら、積極的に会って自分の存在をアピールしたいですね。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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