亀と浦島の恋愛講座

ロングとショート

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。ところで浦島殿は、ロングとショートどちらがお好みで？」

「そりゃお前、黒髪ロングこそ正義だろ」

「違いますぞ、カクテルの話です！　何でも女性と結びつけるとは、とんだドスケベ野郎でございますなぁ。というわけで今回は、カクテルのロングとショートについてご案内します」

「サラッとディスられた……」

「まずショートですが、足のついた三角形のグラスに入っております。短時間で飲む前提ですので、氷は入っておりませぬぞ。色味が豊かで華やかですので、カクテルと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、おそらくショートかと思います」

「なるほど、足のあるグラスはショート」

「はい。一方ロングは、足のない太いグラスを使い、通常は大きめの氷塊と共に楽しみます。長時間かけてゆっくり飲むドリンクですな。ロック割りはこちらに分類されます。バーテンダーに注文の相談をする場合、ロングかショートか聞かれることがありますので、知っておいて損はない知識でございますぞ」

「ひとまず見分け方はわかったけど、デートでバーに行った場合、結局どっちを頼んだらいいんだ？」

「個人的にはロングですな」

「けど、ロングの方が強いんだろ？　タンブラーに入ってて量も多そうだし、なんか酒の通が飲むイメージだよな……」

「いいえ、実は弱い人にこそロングがオススメなのです。一見量が多く見えますが、実際ほとんど氷ですし、溶かしながら長時間飲めますからね。デートの際は、自分はロングを頼み、女性にはショートを注文してあげるのがよろしいでしょう」

「自分は酔わずに相手を酔わす、って作戦だな！」

「ただし、ロングでもアルコール度数は充分に高いですからな？　甘く見てペースを上げないようにご注意をば。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」