悪いことがしたくなるお年頃-8
「良いですね…、そういう涼しそうな格好」
「なら其方も着るか?予備の分があるぞ」
私が思わず愚痴をこぼすと、声の主さんは親切にもベンチの後ろからピンク色の水着を取り出して私に見せてくれました。
「え、良いんですか!? しかもピンク色!」
「妾は既にあるものを着ているため、これは其方に与えるとしよう。これもきっと何かの縁だ」
声の主さんは、私にビキニ水着をくださりました。
やったぁ!
「あ、そういえば申しおくれました。私、エウロパと申します」
「妾の名はアドラステア。この地に住み着いてそろそろ100年(世紀単位)となる。そのせいか、村の者たちからは山の神呼ばわりされる始末だ」
やっぱりこの人、山の神でしたか。
「そういえば一つ聞きたいことがあるんですけど」
「ん?答えるのは良いが、とりあえず其方はその見るのも暑苦しい服を脱いで、ここでの正装に着替えると良い。この奥に大きな岩の岩陰がある。そこを使うといい」
アドラステアさんは、ベンチの上で振り返ると、後ろを指差しながら言いました。
「わかりました、ではそうさせてもらいます」
ここは大人しく従うべき、でしょう。
「あ、私の身体が魅力的だからって覗かないでくださいよ!」
「誰が好き好んで同性の裸なんぞ見るか」
アドラステアさんは、鼻で笑いながら私に言いました。
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