第143話 ローカルAVアイドル(笑)

その・・・「あ、あ、川島さん・・・・」の女の子に

人気が集まるのは当然で(笑)。


ローカルAVアイドル(笑)。


コールサインがあるから、どこのだれかわかるワケ(笑)。


熊も、S12も、勝則もまあ、会いに行ったらしい。


ぬっぱぬっぱしたのかどうかは知らない(笑)。


世の中に、そんな女もいるんだなぁと、俺は初めて思った。



そうそう、ふみよちゃんには俺も呼ばれて・・・会いに行ったけど

まあ、年齢なり・・・と言う感じで。別に興味も沸かなかったけど

XVで走るのは楽しかったから、隣町の団地まで走った。


XVを「かっこいい」し、俺のことは「かわいい」と言ってはくれたけど

なんか、汚れてるなぁ、って印象。



その後、中学のクラスメートだった柴田が付き合っていて

ぬっぱぬっぱしたとか言っていたけど(笑)。


まあ、あんなのはいいや、と・・・・。ほっといた。



この柴田は、ちょっとかわいそうなヤツで。

その子と結婚したかったらしいけど、親が「中卒の美容師じゃダメだ」と・・


(まあ、ふみよちゃんも・・・・汚れてる感じだったし)。


んで、グレちゃって。一生独身だった。アナ友達はいたけど(笑)。

バイクはホーク250に400のエンジンを積んで・・・・と、やっぱ変態的(笑)。


挙句に、カギを物置に置きっぱなしにしてて

バイクを物置の前に停めてたんで、バイク盗まれたり(笑)。



そういう、ちょっとキレてるヤツだった(笑)。


柴田の両親とも、差別に苦しんだらしく「学歴」「出自」に拘るタイプで・・・・

柴田は化学の研究者になりたかったのだが「6大学行け」と親が命令。

結局落ちて3流私大、商学部=>インチキブローカー・・・。


可哀相な人生だが、自分でつっぱねりゃいいだろうと俺は言った。


男のくせに、と。



それで・・・両親とも、俺がその後・・・東大や早稲田、トヨタとか

そういうところで働いているのを知り・・・「うまくもぐりこんだものね」とか


嫉妬(笑)  あーみっともな。



息子をダメにしたのはお前らだ。とは言わないが(笑)。



この柴田はすっかり歪んでしまって・・・・。友人が、国家試験の勉強をしていると

毎晩邪魔しに行って、受験に落ちるように画策するとか。


友人の結婚式に出ず、地引網をするから、と行って

結婚式の出席者を減らそうとするとか・・・。


ホントにダメになってしまった。



お気の毒な事だなぁ、と思う。




まあ、それはいいか。







セブンイレブンのバイトをしながら、そんな風に無線を聞いていたりしてると


不思議そうに見ていた子が、文子ちゃんだったり、洋子ちゃんだったり。

淳子ちゃんだったり。


それぞれに、感じ方は違う。


文子ちゃんは、なーんとなく遠くから見てるけど、何も言わないで。

俺が気がつくと、どこか、よそを見たり。


おとなしいお嬢さんである。


洋子ちゃんは「ラジオですか?」とか・・・推定で言う。

賢い子。


淳子ちゃんは「無線機ですか?」と言い当てる。

アンテナが出てたし、ハンドマイクの小さいのを

俺が持ってたりしたし。




なーんとなく、その子たちに微笑む俺だったりする。

でも、心のどこかに・・・千秋そのものではないけれど

なんとなく・・・・偶像、なのかな。愛しい存在があるような

そんな気がした。




誰にでもあるのだろうと思う。

普通の女の子と恋していれば、人間だから

そのうち、嫌なところも見えてきて。

「ああ、こんなもんだな(^^;」って思うし

その欠点も愛らしく思えてくる。


そうならないうちに、いなくなってしまうと・・・神聖なものになってしまうのかな。

天使のような、空想上の存在のような。



そういうわけで、なんとなく・・・どの子にも踏み込めなくなる。



映画の「寅さん」が・・・優しくしてくれた養母の光子さんが

若く、美しいままに少年時代の寅さんの前で、死んでしまう。


以降、寅さんは

何をするのでも、その光子さんの幻影をどこかに見ているようで

恋する人も、どこか、その幻影に似ているディテールを見出すようにも見え・・・。


そんな寅さんは、こういう気持なのかな、なんて思ったりもする。




心を奪われたまま、その人は天に召されてしまって。

もう、どこに行っても会えないから

彷徨うしかなくなる。



誰に会っても、なんとなく・・・・その幻影を見ている。




その気持はなんとなく分かる。






それだから、洋子ちゃんとかも大切にしてあげたワケ。





愛は地球を救いますね、ホント(笑)。


女の子でなくても、バイクだって音楽だって

なんだっていいと思う。


好きなことがひとつでもあれば。


それを愛すれば、平和になるよね、世の中。ホント(笑)。






なので・・・文子ちゃんにも、どこかに「天使さん」を感じたし。

大切にしてあげたいなぁと思ったり。


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