第26話 いじられ
それから暫くするとシーラが、足が痺れたからと言い膝枕をするのをカーラに代わって貰っていた。素直に譲ってあげると言わないのがシーラらしかった。
カーラはお疲れ様と一言だけ言い、フォルクスのおでこにそっとキスをした。
昨日は色々な事が有り過ぎた為、そう、頭を働かせ過ぎた為かフォルクスは精神的に疲れていた。カーラとシーラが入れ替わった後、ふと横を見るとやはりシーラの下着が見えてしまった。フォルクスはわざとらしくボソッという。
「シーラのは白か。よかよか」
「白って?」
「白っておぱんていだよ。清楚な白い下着がほら見えているぞ!おれえのご褒美かな?」
「もうバカ!あんたなんか知らない」
シーラは慌ててデルタゾーンを隠していた。フォルクスはシーラがわざと見せていたのかとすら思ったのだが、どうやら本当にガードが甘かっただけのようであった。それでもカーラはフォローをする
「フォルクスさんはやはり紳士ですね。そのまま何も言わずに眺め続ける事もできたのに、私の時もそうですがシーラに見えていると伝えるのですから」
「あはははは。そんないいもんじゃないよ。そのさ、見ていたいけど、正直目のやり場に困ってさ。確かに目の保養にはなったよ。ふふふふふ」
「こ、こんな事位でフォルクスさんの癒やしになるのでしたらいつでもどうぞ」
「じゃあ目の保養をしたくなったらカーラに頼もうかな」
シーラも負けじと
「いいわよ!パンツ位。ほら変態さんに見せてあげるわよ。ほらちゃんと見て癒やされなさいよ」
と言ってチラチラ見せてくる。フォルクスはため息をつきながら
「コラ!はしたないぞ。そうやって見せてきたのじゃあ男のロマンが無いだろ!」
「何よその男のロマンって?」
「胸の谷間もそうだけどさ、見えそうで見えないギリギリな位がいいんだよ。簡単に見えてしまうとモチベーションが下がるんだよ。手の届かない物になんとか手が届かないか!あと少しで見える!後ちょっとだ!とか、着替えをこっそり覗く、それが男のロマンというもんなんだ。下着もそうだよ。さっきみたいにわざとじゃなくて、本当に無防備な状態で見えた!そういうのに男は萌えるんだ」
「何バカな事を言ってるの。しかも熱く語ってんじゃないわよ。ばっかじゃないの!これだから男って全くもう!」
隣でラティスがクスクス笑っていた。シーラはラティスにも突っ掛かっていった。
「な、なによ?何が面白いのよ?」
「いえいえ、シーラ殿が良い子だなと思えてついついね」
「何よその良い子って?」
「シーラ殿はフォルクス殿の事が大好きなのだな。私も負けてはいられないな!」
「な、ななななななによ。こんな奴の事なんて何とも思っていないわよ」
「でもね、もし18歳までにお金を用意できなかったら、フォルクス殿に抱かれねばならなぬのだぞ?」
「わ、わ、分かっているわよ。あんな変態達に比べたらフォルクスの方が百万倍マシなんだから。その、フォルクスだったら、まあ、そのいいかな。あいつってむっつりスケベだけど、女には優しいじゃない。その、顔も好みだしって、恥かしい事言わせないでよ。あんたはどうなのよ?あんたも同じなのよ!」
「問題無い。私の全てはフォルクス殿に捧げるのだから問題ないぞ!」
そんな会話が飛んでいた。いつの間にやら女性3人でフォルクスの話になっていて、フォルクスは恥ずかしくてとてもじゃないが聞いていられなかった。からかわれているのだろうかと思ったりする。流石に3人共自分の事を好いているわけじゃないよなと。そうやってフォルクスが赤くなっているのを見て楽しんでいるだけなんだろうなと、乙女心がイマイチ分からないフォルクスである。
そうして暫くすると今度はラティスの膝枕になった。シーラ達と2歳しか違わないとはいえ、やはり女性としての体の成熟が2人より進んでいる。とても言える話ではないが、ラティスの膝枕が1番心地良かった。カーラもシーラも心地良いのは良いのだが、肉というか脂肪が少な過ぎるからか、柔らかさが少し物足りないと感じていたのだ。
そして何より上を向いた時に見える双丘の存在感というか迫力が違う。ラティスの場合は絶景であったのだ。ただ残念なのは、席を代わった後のカーラとシーラのガードはきちっとされている事であった。特にシーラはわざと見えないギリギリまでスカートをたくし上げ、ぎりぎり見えなくしていたのだ。必死に見ようとするフォルクスを見てくすくすと笑いながら、フォルクスが見えないというような事をぼそっと言っているのが聞こえて満足していた。
そんな感じであったが、時折うっかりのフリをしてパンチラをサービスしてあげて、フォルクスを掌の上でいじっているシーラである。フォルクスのニンマリと崩れた表情を見て笑っていたりする。
そしてラティスは、フォルクスが触れられたくない事を話題にしてしまった
「先程は鳥の糞から私を守って頂きありがとうございます。フォルクス殿のクリーン魔法で綺麗にはなるのでしょうけれども、もしもあのまま私の胸に落ちてしまっていたら物凄く気持ち悪かったと思うんですよ。本当に助りました」
「うん。ラティスが鳥の糞まみれにならなくて良かったよ」
フォルクスは引きつった笑みを浮かべていた。感謝されてはいるが、結果論であって実際の所は本当に胸を触りに行っていたのであった。たまたま胸を触った直後に鳥の糞がフォルクスの手に着いた、ただそれだけなのだ。
だがしかし、あたかも糞が落ちてくるのを見計らったとしか思えない絶妙なタイミングでラティスの胸をガードした、そんなふうにしか見えないタイミングであったのだ。
ついつい誘惑に勝てず、ラティスの胸を触りに行ってしまっていたのだ。触れた瞬間にハッとなり、一瞬やらかした!と焦ったが、何とかごまかしきったと思い糞の事に対してフォルクスからは何も言わなかった。胸を触ったと軽蔑されるのが怖くて黙っていたのだが、結果的に鳥の糞にフォルクスは感謝をしていたのである。おそらくあの場で普通に触っていて、あまつさえ揉んでしまったら軽蔑され、口を聞いてくれなくなったであろうと思い、冷や汗が出てくるのであった。
また、これも結果的な事であるが、フォルクスは何も言わずに黙々と冷静に鳥の糞からラティスを守り、何事もなかったかのようにしていた。
ありがたく思え的な事も言わずに守ってくれた紳士様となり、ラティスのフォルクスへの想いは一気に加速していった。フォルクスの知らぬ間にフォルクスの為なら何でもする、そんなふうな想いをラティスが持つようになっていたのであった。
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