第3話

突然のクビに驚きを隠せなかった。

帰宅後。

父親に話すと、呑気な父さんは、

「無能だと言われたんだな?」

「うん。言われたよ」

「俺の息子を、無能だと、その

有能なオーナーシェフは言ったんだな?」

「うん。言ったよ」

「面白ぇ」

「いや、父さん、俺はめちゃくちゃ気分悪いし、面白くもなんともないよ」

「お前さ。ドルチェに特化したレストランやれよ。資金の援助は少しなら父ちゃんしてやるぞ」

「え」

「俺の友人の不動産屋がさ、居抜きでいい物件

紹介してくれたんだよ。俺はこの場所が気に入ってるから移転するつもりは毛頭ないけどよ、

お前さ、レストランやれよ。友達の不動産屋だから仲介料も安くて済むし、居抜きだから

初期費用はふつーより断然かからない」


「どうだ?自分の店を持つ気はないか?」



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