塩田さん:18歳同級生 ~放課後の教室にて~
あの子と付き合ってるんだよね?
どうなの? いい感じ?
ふーん、そっかあ……。
てゆうか、そんなにわたしに自慢する?
そこまで言われちゃうと正直引くかも。そんな熱いのは結構ですよ。
えっ? 訊いてきたのはこっちだって?
そりゃ、まあ、そうなんだけど。
なんてゆうか……。
うん。わたし、人の幸せより不幸の方が好きだからっ。
ひどいやつだって? そうよ。悪い? ひどいやつなんですよ、わたしは。
でも、大抵の人ってそうだと思うよ。口だけ幸せを願ってるもんだよ。そんなもんよ。みんな周りからよく思われたいからね。人の心なんてわからないもんよ。
だいたい知ってるでしょ。子供の頃からわたしのこと知ってるんだし。
わたしもあんたのこと、よく知ってるから。
だから……。
からかってやろうかと思ったのよ。どうせ、うまくいってないんだろうなってね。変な趣味とかばれて、あたふたしてんじゃないかなってね。
ちょっと、そんなに怒らないでよ。
うそよ、うそ。そんなに怒らなくていいじゃん。
ちょっとした、かわいい現状確認ですよ。
重要でしょ。現状確認って。なにか問題が起きてないかなあってさ。
え?
かわいくないって?
余計なお世話ですよ。女子なんてね、こんなもんよ。理想通りの人なんていません。
あんたは知らないけど、結構もてるのよ、わたし。知らないでしょ?
なにげに高嶺の花ってやつだから。この前もね、誘われたから。カラオケに。
ま、行かないけどね。
全然、仲良くないサッカー部のやつだったし。しかも、年下。
意外?
なにそれ、意外って。
わたしのこと過小評価し過ぎじゃない? かな~り、人気あるから、わたし。
ほら! やっぱり知らないじゃない。
まあ、全然知らないよね。わたしのことは……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます