高校生の『日常』探し探検隊

三毛猫

第1話 名前



「今日から学校かよ、もうまじだりー。」


「それな。あれ、一時間目って国語だっけ?うわあ最悪だよ里長じゃん。」

「あいつは、俺も苦手だ。」


俺、神崎はただいま、友達の吉原と絶賛大遅刻中である。


「吉原、俺に遅刻した時用の作戦がある。聞いてくれるかね?」

「嫌な予感しかしねぇけど聞いてやるよ。」


作戦はこうだ。まず、吉原が先に教室に入り、先生に見つかる。そして、早速先生に遅刻したことでこっぴどく叱られるだろう。その時に、吉原はこう言うんだ。「 皆の迷惑になる、廊下で話そう 。」って。その隙に俺が教室に入り、元からいたかも同然のように振る舞う。どうだ?


「それ俺、何のメリットもないよね。そして、元からいたかも同然のようにって、お前も無理じゃん。」

吉原は少し期待していた顔を残念そうにして下に向けた。


「所で、部活の報告書のやつ今日までじゃなかった?」吉原は言った。

「そうそう、ちゃんと書いてきたから心配すな。腐っても部長だから。」


俺と吉原は、1ヶ月に1回あるかないかぐらいの小さな同好会で、俺はその部長である。


同好会の名前は、『インテリア同好会』

まぁ簡単に言うと、自分たちで色んな家具を使って部屋をアレンジするのを研究する会。みたいなもんだ。


「そういや神崎、一つ疑問に感じたことがあるのだが。」

「偶然だな、俺も疑問に思ったことがある。」

二人は声を合わせるように言った。


「うちの顧問、名前なんて言うんだっけ。」


「やばいな俺、今日部長として顧問に報告書を出しに行かなきゃいけないんだぞ。」

「俺は思い出さなくても問題ないのだが、実は顔も忘れている。というか、そもそも誰が顧問なんだ?」


「吉原よ、それをバカというのだよ。顧問の顔くらいは覚えとけよ、、、やばい、思い出せねえ。」


とりあえず名前から思い出そう。


「そういえば、昔2人でロングビレッジってその先生のこと呼んでたな。」

「確かに、ロングビレッジか。ビレッジ、ロング?ビレッジロング、あ。」


2人は再度声を合わせて言った。



「ビレッジロング、里長ね!」


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