異形の少女*🌺＊✰⋆*

第42話⁂樹里亜殺害を企てた張本人は一体誰なのか！達也？⁂

それでは順序立てて話を進めて行きましょう。

先ず達也です。

２００７年6月16日のあの事故の日

１９９８年9月中旬

爽やかな秋風が心地よい季節となり⋆*⋆＊

秋空にいわし雲が浮かんで……夕焼け空に赤トンボが群れをなして飛んでいます。

そんな麗らかな日に待望の樹里亜が誕生したのです。

喜んでいたのも束の間、病院では達也の子ではないとの噂で持ち切り。

怒り心頭の達也は早速ＤＮＡ鑑定を法科学鑑定研究所に依頼します。

その結果９９，９９９９９７８パ－セントの確率で達也の子であると断定されたのです。

それなのに何故陽介の子供だと言う封書が届いたのか？

それはこういう事です。

子供の授からない直系の息子達也に業を煮やした元理事長勇は｛もしこれで達也に子供が出来なかったら頼れるのは陽介の息子遥斗だけ！｝

それなのに唯一の跡継ぎとなる遥斗の親権をあっさり貴理子に取られてしまい貴理子に好意的ではないのです。

｛もしこの先、達也に子供が生まれなかったら、この貴理子に遥斗を盾に病院を乗っ取られるかもしれない。ましてや自分の血を分けた息子、陽介もそれを一番望むに決まっている。それだけは何としても阻止したい。そんな事になったら、私と妻が他界した後、息子の達也が窮地に追いやられる事は火を見るより明らか。可愛い息子を何とかして守りたい。その為には貴理子をこの病院から追い出したい！私も癌が再発して理事長を降りたばかり、生きている内に貴理子を何としてもこの病院から放り出したい！｝

一方の貴理子は、自分に強く当たり散らす勇が許せません。

その挙句、可愛い孫までも何が何でも追い出そうとする勇が憎くて仕方が有りません。

余りにも強く当たるので切羽詰まった貴理子は、我慢の限界を超え恨みが頂点に達し

｛達也可愛さにこの病院から追い出されそうになっている、あんな直ぐに切れるきちがい同然の達也なんかどうにでもなれ！いっその事死んで欲しい！｝そしてあの封書を送還したのです。

検体すり替えも試みたのですが？何と言っても達也には医学界の重鎮勇が付いています。

そんな事などアッと言う間に見透かされてしまいます。

ましてや遥斗の将来が経たれては身も蓋もありません。

ですから樹里亜は達也の正真正銘の娘なのです。

勇も自分の孫だと確信していたからこそ、余名幾ばくも無い身体で、命の灯が燃え尽きるまで可愛い孫の為に頑張れたのです。

そして心血注いで無事に息を吹き返した樹里亜を見て、思い残すことなくこの世を去ったのです。

達也も父から聞かされていたので樹里亜を我が子だと確信していたのですが？精神的に弱い性格の為に疑心暗鬼が続いて狂ってしまったのでしょうね～？

ましてや樹里亜ちゃんがあまりにも綺麗で陽介にも何処となく似ているのが災いしたのでしょうね～？

今となっては後の祭りです。

気の弱い達也はどす黒い陰謀の渦に巻き込まれて最後には自滅したのです。

だからまかり間違っても樹里亜の殺害未遂に手を貸したのは達也では無いという事です。