異形の少女*🌺＊✰⋆*

第14話⁂達也・陽介・弥生・貴理子⁂

達也は夢にまで見た弥生との結婚で夢のような毎日を送っています。

陽介を陥れるだけ陥れてやっと手にした弥生をまるで宝物のようにそれはそれは大切にしています。

一方の弥生もあんなに愛した陽介があんな卑劣な男だったとは？

｛母の病気の事や陽介が昏睡状態におちいった時に親身に相談に乗ってくれた達也を悪者にして、その挙句、私と言うものが有りながら隠れて女を作り妊娠させたなど到底許せない！

だが？一方では本当は陽介が言っていた通り全て達也が仕組んだ事だったのでは？

又貴理子の事だってまだハッキリと？あの時は貴理子という女性と肉体関係が有っただけでもショック極まりないのに、赤ちゃんまで出来たと聞いてショックの余り頭が真っ白になり、一刻も早くこの苦しみから逃げ出したかった！忘れたかった！その為に達也の度重なる熱いプロポ－ズを受け入れてしまった！本当にこれで良かったのか？｝

何故そんなウガッた考えをするようになったかと申しますと？

ある日陽介の母美智代が里帰りをして帰って来た日の事です。

お茶を出そうと縁側伝いにある和室に行こうと縁側を歩いていると「お父様あんまりです！許せません！」

「本当だ！達也が悪い！大量の風邪薬と焼酎を混ぜて飲ます等とんでもない！医者の卵たるものそんな事は十分に知っている事。それを？」

「お父様、陽介も達也が怖いと言っています。子供の頃、野良猫やウサギの首をコッソリと切って殺していたらしいですよ～！」

「本当に困ったやつだ！そう言えば昔買っていた猫のあずきも首を切られたことが有った！あれはひょっとして達也の仕業かも知れない？病院の跡継ぎだから何としても勉強して貰わないと！………と思い期待し過ぎたせいもあるんだ。あの子の器も考えずに……それであんな子に？」

一方の陽介は弥生を失って失意のどん底です。

｛何故こんな事になったんだ？俺と弥生はいずれ結婚しようと誓い合った仲ではないのか？

弥生が大学2年の夏休みに軽井沢にドライブした事があった。

山道が決壊してその日は等々家に帰れなくて、初めて2人でホテルに泊まり永遠の愛を誓ったではないか？

あれはあの時の誓いは噓だったのか？弥生何故？俺を信じて付いて来てくれなかったんだワァ～～～ワァ～～😭｝陽介は毎日！毎日！自問自答の繰り返し。

余りの陽介の落胆ぶりにさすがの貴理子も自分のした事の大きさに反省しきりです。

陽介をどんな事をしても、どんな手段を使っても、失いたくない為に2人を強引に引き裂いてしまった事を後悔しています。

｛陽介だって私と同じように、弥生をどんな事をしても失いたくなかった筈。

それを自分可愛さに無理矢理引き裂いて・・・誰が見たって私と弥生さんじゃ月とスッポン。

私を愛してくれる筈など最初から微塵も無かった。残念だけど・・・それを自分のエゴで無理矢理自分のものにしようとして陽介をあんなに傷付けてしまって……！

それでも良いの、私のものになればいつか愛してくれる、愛し合える時が来るに決まっている｝

貴理子は毎日毎日陽介のマンションを訪れ、壊れたラジオのように弥生の事を繰り返す陽介を立ち直らせようと必死です。

又慣れない手付きで掃除、洗濯、手料理と必死になって尽くしています。

その甲斐もあり達也と弥生の結婚から2年後の丁度紫陽花の花が見頃の6月中旬＊＊

紫陽花の咲き誇る教会で陽介と貴理子は結婚式を挙げたのです。

ですが？・・・・