主人公は何を求めるの巻き込まれ召喚世界旅

アクラ

第1話

巻き込まれ召喚世界旅


ぐは……ここはどこなんだ……。

それは、中学三年生の夏休みの終わりに起きた出来事だった。

俺――アクラは、知らないうちに異世界へと転移していた。

「うう……眠たい。今日は行きたくないな……」

そんなことを考えながら、俺は学校を休む電話を入れた。

「ふぅ……なんとか休めたな。とりあえず寝よう」

そのまま意識は、深い眠りへ落ちていった。

――気づけば、世界は白一色だった。

「……え?」

「ほほう、目覚めたか」

振り向くと、そこに立っていたのは“神”を名乗る存在。

「四十四名と教師は、すでに先に転移したぞ」

「……じゃあ、俺だけ遅れたってことですか」

「そうじゃ。ゆえに、お主には“補填”が必要じゃな」

神は愉快そうに笑う。

「アクラ。特別なスキルを一つ、そして二つは自由に選ばせてやろう」

「……なら【創造】と【人種コピー】をください」

「ほほ……即答とは。面白い」

神は一瞬だけ沈黙し、そして頷いた。

「よかろう。では、ステータスを見るがよい」

◆ ステータス ◆

神スキル

・創造 Lv1

・人種コピー Lv10

・神???化?

(※制限:未開放)

「……?」

「今は分からずともよい」

神は意味深にそう言い、指を鳴らした。

――次の瞬間。

「ぐはっ……!」

大地に投げ出され、俺は転がった。

「……平原か」

空気が、重い。

呼吸するだけで、この世界が“違う”と分かる。

「……とりあえず、ステータスを開くか」

◆ アクラ ◆

Lv:1

HP:10000

MP:1000000

防御力:10000

スキル

・創造

・人種コピー Lv10

・神???化??

「……数字、多くないか?」

首をかしげる。

「でもレベル1だし……こんなもん?」

本人は気づいていなかった。

この数値が、すでに国家戦力を遥かに超えていることに。

風が吹く。

遠くで、巨大な魔物が吠えた。

だが――

その咆哮は、アクラの存在を察知した瞬間、途切れた。

一方その頃――王城。

「勇者様方、ようこそ」

召喚された四十四名と教師は、王の前に立っていた。

◆ 勇者 ◆

Lv:5

HP:500

攻撃力:1000

防御力:1000

スキル:聖なる光

「おお……これが勇者……!」

王は感嘆する。

「素晴らしい。だが――」

王の目は、どこか厳しかった。

「この世界では、それでも弱い」

一週間の訓練後。

「きつい……」

「剣が重すぎる……」

「次はゴブリン討伐だ」

「えっ!? まだ無理です!」

「……だが行ってもらう」

彼らはまだ知らない。

同じ世界のどこかで、

**“勇者全員を足しても届かない存在”**が、

すでに歩き始めていることを――。

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