第45話お兄ぃの居ない日

〜雫 視点〜


「ん〜…!よく寝たぁ!」


スマホで時刻を確認するとちょうどお昼時だった。


「お兄ぃは…仕事か〜」


私は今絶賛夏休み。実家にいると宿題しろとかお使い頼まれたり凄くうるさいので逃げてきたのだ。


「ふっふっふっ…ここにいれば私は自由!何者にも侵されることの無い私だけの時間!」


この開放感がとても心地いい!


「さてっと、まずは昨日買ってきたアイスでも食べようかな!」


私はそう呟きルンルン気分で冷蔵庫に手をかけた瞬間…


ピンポーン♪


と、チャイムが鳴った。


「誰だろ?」


私は玄関に向かい扉を開けると…


「こんにちは!雫ちゃん!」


私は全力で扉を閉めた。


「や、ヤバいよ…!み、水瀬さんが来ちゃったよ!」


私の心臓はバクバクしている。

そして変な汗もかいてきたし…!


『おーい!雫ちゃーん!どうして閉めるんですか〜?』


と、扉の向こうから私を呼ぶ水瀬さんの声が聞こえてきた。


「うぅ…お兄ぃの居ない時に来るとは…!」


私を守ってくれるお兄ぃは今お仕事だし…ど、どうしよう!


そう私が焦っていると…


『もう、花音ちゃんあの子に何したの?』


と、別の声が聞こえてきた。


『え?特に…何も?』


『なに、今の間…。はぁ、まさかまた暴走したの?』


『あ、あはは…だって可愛いんだもん!しょうがないよ!』


『はぁ…花音ちゃんの悪い癖だよ?ま、ここは私に任せて』


そんな会話が繰り広げられたと思ったら優しく扉をノックしてきた。


『おーい、雫ちゃん…で、いいんだよね?私が守るから出ておいで〜』


ほ、本当に?あの水瀬さんから守ってくれるの?


私はそう思いながら恐る恐る玄関を開けた。


そしてそこに居たのは…


「や!初めまして!私の名前は綾瀬陽菜!よろしくね?」


…なんか、小さい子が居た。


「えっと…和泉雫です。よろしくお願いします…」


「うん!ほら、花音ちゃん!ごめんなさいは?」


「…ごめんなさい」


そう言い頭を下げてきた。


「え…いや…だ、大丈夫ですから頭を上げてください」


「うん!あのねあのね!今から一緒にお出かけしよ!」


あ、この人絶対反省してない。

それにしてもお出かけか…うーん。どうしようかな。


と、私が迷っていると綾瀬さんが私に…


「駅の近くにコーヒーの美味しいカフェが新しく出来たらしいんだ!だから、一緒に行かない?」


と、言ってきた。


ふむ。コーヒーの美味しいお店とな?

それを早く言ってくれたまえよ!


「はい!是非行きましょう!」


「おぉ!ありがとう、雫ちゃん!」


「いえ!じゃあ、ちょっと準備してきますね」


「はーい。ほら、花音ちゃんしょげないの。大丈夫、これから仲良くなればいいんだもん」


「…うん。頑張るね」


なんとも不安になる『頑張る』を聞いた私は身震いをしながら準備をした。


そして、3人で目的のカフェに向かった。

そして、たどり着いたのはモダンで落ち着いたデザインのお店でレンガと木で出来たお店だった。

店内も外装と合ったデザインでクラシックが流れている為とても居心地がいい。


そして席に座り私と水瀬さんはアメリカンを綾瀬さんはカフェオレを頼んだ。


そして、頼んだものを店員さんが持ってきてくれたので私は早速1口飲んだ。


「うわ…美味しい…」


口の中に入れた時のこのほろ苦さや酸味が程よく香りもとっても素晴らしい。


「この豆ってブラジルかな?」


と、私が呟くと向かいに座っていた水瀬さんが反応した。


「雫ちゃん。豆分かるの?」


「えぇ…と、言っても素人に毛が生えた程度ですけど…」


「えぇ!それでも凄いよ!」


「そ、そうですか?」


「うん!私もね珈琲が好きで将来はこのお店のようなカフェを開きたいって思ってるの!」


「へぇ…それは凄いですね!」


「えへへ…でもね、自分でも豆を挽いて作っては見るんだけど…全然上手く出来なくて…」


そう言い水瀬さんはしゅんとし始めた。

そして、それを見ていた綾瀬さんは私にある提案をしてきた。


「だったらさ、雫ちゃんが花音ちゃんに教えてあげたらどうかな?」


「「え?」」


「だって、2人とも珈琲が好きなんだから一緒に作れば美味しい珈琲が出来そうじゃない?試飲なら私も手伝うよ!」


「ん〜…それは…」


確かに私も自分で珈琲を入れるくらい好きだけど…身の危険を感じるんだよね。物理的にさ。


しかし私の不安を知ってか知らずか…


「うん!雫ちゃん!お願いします!」


と、水瀬さんはお願いしてきた。


「ん〜…」


「ね?花音ちゃんの暴走も私がいれば大丈夫だし、それに…」


「それに?」


「私、花音ちゃんの夢を応援したいの。だから、私からもお願い!」


「陽菜ちゃん…」


私はその光景を見て思う。


…え、この流れって確定演出だよね?ここで断ったら私かなり悪い人じゃない?


うん。分かった、分かりました。やりますよ、手伝いますよ!

まぁ…暇だし。


「分かりました。一緒に頑張りましょうか」


私がそう言うと2人は嬉しそうに微笑んだ。


「やった!陽菜ちゃんのおかげだよ〜!」


「良かったね!花音ちゃん!」


仲が良いなぁ…この2人。


私はそんな2人を見ながらコーヒーを啜るのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

皆様!おはこんばんにちは!

青の空です!


無事仕事の方も片付きました!

今日は後2話ぐらい行けるかなっと思います。


さて!嬉しいことに☆が増えておりました!

☆をくれた…


@furu30 さん

「あ」を大事にしたい人 さん

@santendo さん


本当にありがとうございます!!!

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